1996 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の全身検索を目的とした三次元ポジトロンエミッショントモグラフィの検討
Project/Area Number |
08671013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
山本 和高 福井医科大学, 医学部, 助教授 (50158268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定藤 規弘 福井医科大学, 高エネルギー医学研究センター, 講師 (00273003)
丸山 市郎 福井医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90273028)
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Keywords | 三次元PET / F-18FDG / 悪性腫瘍 / 二次元PET / 全身PETイメージング |
Research Abstract |
悪性腫瘍の全身検索を目的として、F-18 fluoro-2-deoxyglucose(FDG)を用いた三次元ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)の基礎的、臨床的検討を行った。三次元PETでは、スライスによる感度の差が大きく、体軸方向視野の中央部では二次元PETの約8倍の感度が得られるが、両端部では二次元PETと同程度まで低下する。基礎的実験の結果よりベッドの移動距離を減らして、両端各5スライスを重ねるようにデータ収集して、この差を補正することにより、臨床的に問題のない全身PET像を再構成が可能になった。また、数え落としも増加し、NEC(noise equivalent counts)は二次元PETよりもかなり少ない放射能で飽和し、強い放射能量ではむしろ悪化した。二次元PETではFDGを370MBq投与し、1回5分間のデータ収集をベッドを移動しながら6〜7回繰り返して頭部から大腿上部までを撮像する方法を基準としているが、三次元PETでは、基礎的実験の結果より、FDGを111〜185MBq投与して、1回2分間のデータ収集を7〜8回繰り返して実施する方法により臨床応用を行っており、従来の二次元PETと同様のイメージが得られている。つまり三次元PETを利用することにより、放射性化合物の投与量を1/2以下に、検査時間も1/2以下に減少することが可能になった。現在、この今後、さらに症例を増やし、X線CT、MRIといった他の画像診断法と比較し、外科的切除が行われた症例においては、その病理学的所見とも対比し、FDGを用いた三次元PETの悪性腫瘍の検索における臨床的有用性を明らかにしていく予定である。また、三次元PETにおいて困難な定量性の問題についても基礎的検討を続けていく予定である。
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