1996 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロンが甲状腺細胞のヨード取り込みを増強する機序の解析
Project/Area Number |
08671023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
御前 隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (60181872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠木 寛治 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20115819)
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Keywords | インターフェロン / 甲状腺細胞 / スタウロスポリン / C型リン酸化酵素 / ヨード |
Research Abstract |
標識phorbol-dibutylate(PDBu)を指標としてラット甲状腺細胞FRTL5のprotein kinase C(PKC)活性を検討したところ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を含まない条件下で培養してinterferon gamma(IFN-γ)を加えてもPKC活性の変動はみられなかった。TSHを含まない条件下で培養した後にTSHを再添加するとFRTL5細胞のPDBu結合能は用量反応性に増加し、72時間反応させた場合に最大効果を示す濃度は0.3mU/ml付近である。この時TSHとともにIFN-γ(100U/ml)を作用させると、TSHによる増加は有意に弱められた。TSHを再添加して72時間作用させる系にIFN-γを途中から加えて行くと、最後の24時間だけ加えた条件の方が72時間通して作用させるよりもPDBu結合の抑制が最も強く認められた。現在、これらPDBu結合実験で得られた成績がPKCの酵素活性の変化としても再現できるか否か検討中である。 またPKCの阻害剤staurosporineをFRTL5細胞に作用させるとTSH非存在下ではヨード取り込みを促進し、これはIFN-γのヨード取り込み促進作用と相加的であった。さらにstaurosporineはTSHによるヨード取り込みの刺激には抑制的に働くのに対して、IFN-γは相加的に働く。したがって両者は違う機序でPKC活性を阻害していることが明らかとなった。
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