1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671039
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 誠 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60203840)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠中 正光 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40253413)
|
Keywords | 放射線障害 / 晩発効果 / マウス腎 / DNA合成促進 / C-myc |
Research Abstract |
1.早期指標としてのDNA合成促進のフローサイトメトリー法による測定 DNA合成をフローサイトメトリー法により測定を行った。腎組織を機械的に分散した後、トリプシン処理により細胞を完全に分離して、フローサイトメトリー用試料を作成した。細胞の分離はほぼ良好であった。しかし、照射一週間後の試料ではDNA合成促進の兆候はみられず、本法は早期指標として有望ではないようであった。 2.遺伝子発現法の開発 DNA合成促進をそれに先立つc-myc、c-H-ras、c-K-rasなどの増殖関連遺伝子の発現として捉えうる可能性がある。これまでにマウスの片腎に15Gy照射し、その腎組織よりmRNAを抽出し、c-mycの発現を同一個体の非照射腎に対する照射腎の発現として測定したところ、照射2日後の4個体中2個体にc-mycの明らかな発現を認めた。非照射マウスでは4個体全例でc-mycの発現は認められなかった。半数ながら発現がみられたことから、本法は放射線晩発障害の早期指標として用いうる可能性があると思われた。そこで、現在サンプル数を増やすとともに、照射後のmRNA抽出時期を変えて検討中である。また、その他の増殖関連遺伝子であるc-H-ras、c-K-rasなどの発現についての検討も計画している。今後は最も発現効率のよい時期および遺伝子について、マウスの片腎への照射線量をかえた試料を作成して、遺伝子発現が照射線量に依存するか否かの検討へと進む計画である。
|