1997 Fiscal Year Annual Research Report
癌の放射線感受性の分子メカニズムの解明とその臨床応用
Project/Area Number |
08671043
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Research Institution | SAPPORO MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10235153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 和夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20045347)
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10173098)
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Keywords | DNA-PK / 潜在致死障害 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
1 細胞の増殖状態によらず電離放射線の潜在致死障害(PLD)は2種類存在し、その修復機構もそれぞれ異なる。この2種類とは、高張溶液感受性のfast-typeのPLD修復と、定常期の細胞にみられるslow-typeのPLD修復である。fast-typeのPLD修復とは、増殖期の細胞をX線照射後ただちに不等張塩溶液に曝すと著しい細胞死の増感を起こす現象で、不等張塩溶液処理で修復不能なDNA二重鎖切断量が増加することから、DNA二重鎖切断の修復であることが示唆されている。不等張塩溶液によるfast-typeのPLD修復阻害の機序として、不等張塩溶液がDNA-PK活性を阻害することにより、DNA二重鎖切断の修復が阻害されることが考えられる。そこで、悪性黒色腫細胞のなかで、X線に対して高感受性株P39(D_0=74cGy、Dq=85cGy)と、抵抗性株G-361(D_0=145cGy、Dq=249cGy)のfast-typeのPLD修復能とを比較すると、G-361細胞株が、P39細胞株より高い修復能力を示す。上記2種の細胞で、照射直後に高張溶液に1時間曝した群と無処理群のDNA-PK活性を比較したが、直接法、pull-down法いずれの測定法でも、2種の細胞ともDNA-PK活性は2群間に差がみられず、上記の可能性に否定的な結果が得られた。 2 DNA-PKの免疫組織染色を行うために、DNA-PKの触媒機能を担う分子量460kDaのポリペプチド(p460)に対するに対する、ポリクローン抗体及びモノクローン抗体を作成中である。
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