1998 Fiscal Year Annual Research Report
重症骨盤骨折の出血に関する研究-回転デジタル血管撮影を用いた診断と治療-
Project/Area Number |
08671057
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Research Institution | NIPPON MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
田島 廣之 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00188244)
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Keywords | 骨盤骨折 / CT / 血管撮影 / 動脈塞栓術 |
Research Abstract |
回転デジタル血管撮影装置は、申請者らによって開発された全く新しい画像診断システムである。本装置を用いた血管撮影像は、360度すべての方向からの撮影をリアルタイムに連続動画像表示できることから、病変の立体的、三次元的理解が容易となる。また、サブトラクション処理も容易なことから、濃度分解能も優れており、極めてわずかな造影剤漏出も認識可能となる。従って、骨盤骨折による出血の診断能が向上するため、システム自体の良好な操作性と相俟って、迅速な動脈塞栓術を施行できる可能性が高い。 平成8年度は、日本医科大学付属病院に搬入された重症骨盤骨折患者に対し、まず通常のデジタルサブトラクション血管撮影を施行し、骨盤骨折の骨折部位・程度、血腫の大きさ・広がり、及び造影剤漏出に関する評価を行った。次に、回転デジタル血管撮影装置を用いて骨盤部血管撮影を行い、同様の検討を行った。平成9・10年度は、以上の検討に加え、同一症例に対してCTを用いて骨盤骨折の骨折部位・程度、血腫の大きさ・広がり、及び造影剤漏出に関する評価を行い、通常のデジタルサブトラクション血管撮影および回転デジタル血管撮影の結果と比較検討を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。その評価に際しては、回転デジタル血管撮影が極めて有用であった。 1.外側仙骨動脈と腸腰動脈に於いては、骨折が見られなくても、高頻度に造影剤漏出が認められた。 2.腸骨周囲の血腫量はCT上多い傾向にあったが、血管造影上は出血を伴わないことが多かった。 3.外側仙骨動脈においては、血管撮影上出血が認められていても、CT上血腫が見られないことが多かった。
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Research Products
(1 results)