1997 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図(MEG)を用いた視覚情報処理過程の検討(臨床応用への基礎的検討)
Project/Area Number |
08671067
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮本 環 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (20271679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 ますみ 北海道大学, 保健管理センター, 講師 (00261305)
竹内 文也 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30281835)
片山 順一 北海道大学, 教育学部, 助手 (80211845)
栗城 眞 他 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
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Keywords | MEG / 事象関連磁場 / 意味情報処理 |
Research Abstract |
われわれは意味情報処理過程を非侵襲的に測定することを目的にこれまで事象関連電位(ERP);N400を用いて研究を行ってきた。本研究では左半球の側頭部、頭頂部並びに後頭部を含む関心領域を設定し、ERPおよび事象関連磁場を測定しその領域におけるN400の発生源を検討した。 被験者は北海道大学の学生並びに大学院生5名(男性4、女性1)で、年齢は21才から24才であり、全員右利きであった。パラダイムはプライム刺激とターゲット刺激の関係により同音異議語条件、意味関連条件、意味非関連条件、偽単語条件の4条件からなる単語対を提示し、ターゲットの偽単語に対しボタン押しをさせた。ERPはデジタル脳波計を用い、サンプリング周波数500Hz、TC2.Os、HFF30Hzで測定し加算平均した。事象関連磁場は19chのMEGを用いて、サンプリング周波数512Hz、HFF30Hzで測定し加算平均した。なお、MEGでは偽単語条件は加算回数の関係より解析から除外した。電流双極子はGoodness of Fitが90%以上、磁場分布の相関係数が95%以上のものを採用した。脳MRIを撮像し、推定された電流双極子をMRI上に重畳した。 5名中2名で各条件ともに電流双極子が側頭頭頂後頭結合部(上側頭回近傍)に推定された。今回設定した関心領域においては各条件ともに側頭頭頂後頭結合部およびその周辺に電流双極子が推定された。条件間で推定位置には明確な差は認めなかった。少数例ではあるがこの関心領域においてはN400の発生源の一つが側頭頭頂後頭結合部付近に存在する可能性が示唆された。ERPデータを考え合わせると意味情報処理に関連した領域であると考えられる。
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