1996 Fiscal Year Annual Research Report
慢性精神分裂病患者の精神症状と生活障害についての実態調査
Project/Area Number |
08671073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長谷川 憲一 群馬大学, 医学部, 助手 (40156310)
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Keywords | 精神分裂病 / 精神症状 / 生活障害 / 評価尺度 / 地域精神医療 |
Research Abstract |
まず、研究対象である群馬県佐波郡境町に在住する精神分裂病患者159名についての記録を確認した。昭和62年3月時点で、59名が通院、51名が入院、13名が非受療軽快、3名が非受療働きかけ中であったことが分かった。ついで、調査に協力するために臨時に雇い入れた学生とともに調査すべき項目を検討し、調査用紙を作成した。 同時に保健婦記録、医療機関における診療録などを参照し、これまでの経過、病歴を予備的な調査用紙に記入した。そして当面、平成8年10月1日現在の医療状況、居住状況、就労、婚姻状況、年金受給の有無などを調査した。その結果、56名が通院、45名が入院、10名が非受療軽快、4名が要受療で働きかけ中、31名が死亡、6名が転出していたことが明らかになった。不明者は7名で転婦判明率は91.8%と高率であった。ほぼ10年間の医療状況の変化を、死亡、不明、転出者を除いて入院、通院の比率によって比較するとほぼ同一であった。 また、患者に面接して現在の精神症状、生活障害を評価尺度を用いて評価するにあたって、精神症状尺度ではPANSS(陽性・陰性症状評価尺度)、精神機能尺度ではLSP(生活能力プロフィール)を用いて評価演習を行い、学生を含む評価者間の信頼性を高めた。続いて家庭、ないし病院訪問を開始し、本人および家族と面接して各種評価を行った。その結果をもとに若干の症例で検討会を行い、症状と生活障害の関連を討論するとともに、統計的手法を用いて精神症状と生活障害の関連性を明らかにするための基本的な方針を決定した。今後は調査件数を増やし、統計的な処理が可能な形にデータを整理していく予定でいる。
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