1997 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者に対する医学生の態度を改善するための医学教育の方法についての研究
Project/Area Number |
08671095
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山本 和儀 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (80210524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 文江 琉球大学, 医学部, 助手 (20281230)
兼島 瑞枝 琉球大学, 医学部, 助手 (20253958)
小椋 力 琉球大学, 医学部, 教授 (60032330)
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Keywords | 精神障害者 / 医学生 / コミュニケーション・スキル / 態度 / ロール・プレイ |
Research Abstract |
精神障害者に対する医学生の態度について影響を及ぼすと考えられる要因のうち、医学生の精神障害者とのコミュニケーション・スキルの向上が肯定的態度を形成するかどうかを検討するための研究を行っている。なお二年度目に教官の転出にともない、共同研究者を一部変更した。 初年度はこの領域に関する文献のレビューを行い、関連する資料の収集を行いながら、実験的あるいは先行的に医学教育を行っている大学医学部での教育の実際を見学し、担当教官と意見交換した。医学生には基本的な面接技術の教育が求められ、単なる知識ではなくロール・プレイを交えた技術教育が重要である事を確認した。 また医学生の面接場面を実際にビデオテープに収録した上で、一定の評価表に基づいて、関係教官で評価して、その問題点を明らかにした。その結果について要約すると以下の通りであった。面接に招き入れるときの配慮が不十分で、面接開始時に名前を確認せず、学生であることもはっきり名乗らない。患者と同伴者を区別して患者主体の面接を組み立てることができない。間が持てない。面接をコントロールできない。場の雰囲気を和らげる配慮ができない。メモを取ることに熱中するあまり、患者の表情などを観察することがおろそかになる。また自らの相づちや確認の言葉、表情の表現が不十分である。開かれた質問と閉じられた質問の使い分けができない。話の要約・明確化などの技術が用いられない。面接の終了の予告、面接後の予定についての説明がなされない。などの問題点が明らかとなった。 2年度目は初年度に続いて、医学生の面接の問題点を明確にしつつ、実際の医学教育のカリキュラムでそれを反映させるようにした。また医療面接に関するビデオなど関連資料などを収集し、ロールプレイモデル・ビデオを作成しているところであるが、完成していないため、今後発展させる予定である。近々ビデオが完成すれば、面接技術訓練が態度を改善するのに有効かどうか判定するための調査が可能となる。
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