1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中島 節夫 北里大学, 医学部, 助教授 (20050461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 道哉 東邦大学, 医学部, 教授 (30226427)
鈴木 牧彦 北里大学, 医学部, 講師 (90226548)
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Keywords | 精神分裂病 / デイケア / 体力 / 文部省スポーツテスト / エルゴメータ |
Research Abstract |
本研究の主要な目的は、デイケアに通所する精神分裂病患者における種々の体力測定を通したデイケア効果の評価法の確立の可能性を、認知科学的な観点を取り入れ検討することである。そのための年度はまず、デイケア入所時の精神分裂病患者の体力の実態を把握するための基礎データの収集と集計に主点を置いた。デイケアに通所者に対して、初回入所時およびその退所時に、文部省スポーツテスト、ペグボ-テスト、自転車エルゴメーターによる持久力テストを施行した。入所時データとして、306名(24.9【.+-。】6.7歳、初発年齢20.1【.+-。】5.1歳)の体力データを集計した結果、スポーツテストでは、反復横跳び35.0【.+-。】6.5回、垂直跳び45.1【.+-。】10.3cm、握力35.8【.+-。】9.9kg、背筋力101.5【.+-。】33.6kg、上体そらし45.8【.+-。】10.2cm、立位体前屈7.1【.+-。】9.1cm、上体起こし16.6【.+-。】5.8回であった。ペグボ-テストでは、23.1【.+-。】5.0回、エルゴーターの主要な指標である仕事量は98.7【.+-。】38.7w、運動時の最大酸素摂取量は2.3【.+-。】0.8C86Bであった。近々別に公表予定であるので詳細は省略するが、健常者データをもとにこれらデータを年齢別に標準化し健常者との比較を行った。また、各測定変数の主成分分析を行った結果、筋力因子(握力、背筋力、上体そらし)、俊敏性-持続性因子(反復横跳び、持久力テスト)、筋張力因子(立位体前屈、上体起こし)といえる因子が抽出された。さらに、デイケアを退所した者について入所時と退所時直近の体力を比較したところ、全種目で向上が見られた。デイケアでは3カ月おきに体力測定を行うのみなので、これは日常練習の効果というより、デイケアプログラムの効果である可能性が示唆された。今後は、測定種目の追加、退所時の患者の転帰、高次認知・注意機能評価、臨床症状評価、運動に対する自覚的変数など、より多くの目的変数、説明変数を含めたデータ収集と解析に発展させる予定である。
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