1996 Fiscal Year Annual Research Report
デイケアは精神分裂病の能力障害の改善及び再発防止にどの程度有効か。
Project/Area Number |
08671109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
池淵 恵美 帝京大学, 医学部, 講師 (20246044)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 徹也 帝京大学, 医学部, 教授 (10101742)
川手 恒太 帝京大学, 医学部, 助手 (40276754)
森 一和 帝京大学, 医学部, 助手 (80266296)
|
Keywords | デイケア / 精神分裂病 / 能力障害 / 精神科リハビリテーション / 再発 / 障害構造 |
Research Abstract |
本研究は以下の仮説を検証することを目的としている。『精神分裂病の治療において、薬物療法に加えてデイケアで包括的なリハビリテーションを実施することで、薬物療法単独よりも能力障害の改善及び再発防止の効果が大きく、その結果、長期的に社会的予後の改善が期待できる』 1、対象:DSMIVにより精神分裂病と診断されたもので、首都圏にある病院付設のデイケア7カ所及び精神障害者共同作業所8カ所に、1997年1月から12月までの間に利用を開始したもの全員のうち、文書による同意の得られたもの。デイケア、作業所あわせて150名を目標としている。デイケア・作業所ともに年間の新規利用者数は規模にもよるが10名程度であるため、対象数を確保するため共通のプロトコールで複数の施設で実施することとした。さらに当初の計画のデイケアだけではなく共同作業所を加えたのは、包括的な精神科リハビリテーションを実施していてもプログラム内容や運営方法の違いによって効果に差異があるかどうかを検証するためである。 2、方法:利用開始後2年間の間、半年ごとに次の評価を行う。A.LASMI(精神障害者社会生活評価尺度)-能力障害を評価するための尺度であり、障害改善の継時的追跡のために治療開始当社からの定期評価を行う。B.GAS(概括評価尺度)-全般的な社会機能の評価。C.WHOのQOL尺度(主観的な「生活の質」の評価。障害の変化に伴うQOLの追跡)。D.BPRS(簡易精神症状評価尺度。精神症状の変化の追跡)。治療からの脱落時にも前記評価1式を行う。また精神症状の悪化が認められるときには、臨時にBPRSの評価を行う。 3、進行状況:1996年に共同研究施設からの研究参加者による研究計画の検討を3回、評価実施者への研究計画の説明及び評価練習を2回実施した。評価者間信頼性を高めるために、評価練習は今後も行うほか、同一の評価者が継時的に評価を実施する予定である。
|