1996 Fiscal Year Annual Research Report
脳波定量分析とMRI volumetryを用いたアルツハイマー病の診断
Project/Area Number |
08671112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
繁田 雅弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90206079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 樹子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256338)
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Keywords | 脳波 / MRI / volumetry / FFT / Coherence / Alzheimer's disease / 判別分析 |
Research Abstract |
研究計画にしたがって、アルツハイマー病と健常老年者の脳波とMRIのデータ収集を行った。現在までに、26名のアルツハイマー病と18名の健常老年者について脳波とMRIの記録を終了している。このうち、脳波とMRIのアーチファクトの混入が許容範囲で解析可能であったのは、19名のアルツハイマー病と16名の健常老年者のデータであった。脳波については、頭皮上16部位のアーチファクトを含まない30秒間の脳波についてFFTのアルゴリズムを用いて頭皮上各部位の各周波数帯域のPower spectral density(PSD)および頭皮上各部位間の各周波数帯域のCoherence(COH)値を算出した。また、MRIについては、画像処理ソフトウエアを用いてVolumetryを行い、左右の海馬、側頭葉の容積の算出を終えている。このデータを用いて、まずアルツハイマー病と健常老年者の間の各測定指標の差を検討した。その結果、アルツハイマー病で有意なシ-タ帯域のPSDの増加とアルファ帯域のPSDの減少およびアルファ帯域のCOHの減少を認めた。また、MRI volumetryでは、アルツハイマー病で、左右の海馬、側頭葉の容積が有意に減少していた。すなわち現段階での結果は、従来の知見と一致するものであった。次年度はさらに症例を追加し、これらの変化を確認するとともに、これらの指標を組み合わせた診断能力を判別分析で検討したい。
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