1997 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパミン環状AMP調節リン酸蛋白32の血中mRNAの検出と精神疾患への応用
Project/Area Number |
08671121
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊豫 雅臣 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50191903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 則行 国立精神神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (60211869)
稲田 俊也 国立精神神経センター, 精神保健研究所・老人保健研究部, 室長 (00184721)
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Keywords | DARPP-32 / mRNA / human |
Research Abstract |
本研究の目的は「ドーパミン・環状AMP関連リン酸蛋白32(DARPP-32)のヒト血中mRNAの検出法」を確立」し「少数例のヒトへ応用する」ことであった。 まずわれわれは動物実験で既に報告されているcDNA配列からヒトのcDNA配列を推測してプライマーを作成し、ヒトの脳のcDNAライブラリーより配列を読み取る試みを行なった。プライマーは数種類設計し、オリゴヌクレオチドを合成した。 上記で合成したプライマーを用いてヒト尾状核cDNAライブラリーから目的とするDARPP-32をコードする部位の増幅をPCR法を用いて試みた。PCRによる増幅においては、アニーリング温度の設定を変化させ最適温度を検索した。PRC産物をアガロースゲル上で電気泳動した結果、上記5種類のプライマーのうち1種類で目的とするbaseのbandがわずかに認められる温度が明らかとなり、また、目的とする部位のcDNAが増幅している可能性が示唆された。 次に分裂促進剤を添加したヒト・リンパ球をCO2インキュベータ-にて培養し、リンパ球からのmRNA誘起とRT-PCR法による増幅を試みた。その結果、mRNA誘起とRT-PCR法による増幅は成功した。しかし目的としたPCR産物が示すべきbaseのbandは認められなかった。 本研究の所期の目的はこの期間内に必ずしも十分に達成することはできなかった。しかし、ヒト血中DARPP-32mRNAを検出するための、プライマー候補を見出すこととPCR条件設定はほぼ完了し、また、ヒト・リンパ球からのmRNA誘起が可能であることが明らかとなった。
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