1996 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン分泌における細胞内Ca情報伝達機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
08671138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 祐司 東京大学, 医学部・附属病院(分), 助手 (50221396)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / cADPR(環状ADPリボース) / カルシウム振動 / カルモデュリン / リアノジン受容体 / ラットFRTL細胞 |
Research Abstract |
ホルモン分泌細胞内情報の一手段であるCa^<2+>oscillationの機構としてcADPRを会するcalmodulin依存性CICR機構関与の証明とそのより詳細な分子機序の解明が本研究の目的である。GH_4C_1細胞、AR42J細胞を用いて検討してきたが、予備検討で認めたW-7以外のcalmodulin阻害剤はCa^<2+>シグナルに抑制をかけない。理由として、仮説の正当性の問題や実験方法の未熟性以外に、細胞系が適切でない事が考えられた為、他のアプローチを検討している。 (1)ラット甲状腺FRTL細胞を用いた検討:この細胞はTSHに反応して一つの受容体(TSH-R)がcAMP系とCa^<2+>系の2つのメッセンジャー系を起動するなどこれまでの細胞系と伝達機構が異なる。バセドウ病の原因であるTSAbにてもCa^<2+>上昇→増殖・分泌情報伝達を行う事が我々の検討からも明らかであり興味深い。本細胞においてW-7がCa^<2+>シグナルを抑制する事を確認しcADPR作用の関与を見る良いモデル系になると期待し詳細な検討に入っている。 (2)digitonin-permeabilizationやmicrosome prepration等で、cADPR,Ca^<2+>,calmodulinの相互作用のkinetics解析、未知のcofactorの分離を試みている。washしたpermeabilized cellまたはmicrosomeで失活する活性を細胞質ホモジネート添加が回復させるが主成分の同定には至っていない。 (3)ウニ型RyRLCをまずクローニングし、その後に哺乳類細胞スクリーニングに戻る事を考えていたが、RyRLCは大型分子であり良いウニライブラリが不可欠かつ難作業となる事が判明した。ヒト小脳由来cDNAライブラリを直接スクリーニングする方法への方針変更を検討中である。
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