1997 Fiscal Year Annual Research Report
糖刺激によるグルコキナーゼの膵β細胞内での局在変化は酵素活性とどう関連しているか
Project/Area Number |
08671165
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKUSHIMA |
Principal Investigator |
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10218349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 昭 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219641)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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Keywords | グルコキナーゼ / 膵ラ氏島 / インスリン分泌 |
Research Abstract |
グルコキナーゼの細胞内局在について、単離ラ氏島より、核、ミトコンドリア、細胞内小器官、細胞質の4分画に分けて各分画内のグルコキナーゼ量をwestern blottingで検討した。毎回、一定した傾向を認めなかった。細胞内諸成分を分画中に溶液中で細胞内器官とグルコキナーゼの結合が解離するためと考えられた。EDTA入りの抽出液の他にマグネシウム入りの抽出液なども試してたが、良好な結果を得ることができなかった。そこで、免役組織学的検討に研究を集中した。共焦点顕微鏡による高倍率観察で、糖刺激前に核近傍に局在したグルコキナーゼは、糖刺激後細胞内全体に散らばるが、その大部分はミトコンドリアの表面に存在するという結果を得た。グルコキナーゼがミトコンドリア表面に存在すると見えるのが、正しいかどうか確認するために、これまでミトコンドリアに結合することが判明しているヘキソキナーゼについても同様の検討を加えた。ヘキソキナーゼは糖刺激前からかなりの部分がミトコンドリアに結合しており、糖刺激後、若干結合量が増えた。また、ミトコンドリア蛍光像とヘキソキナーゼ免疫蛍光像の関係は、糖刺激後のグルコキナーゼ蛍光像とミトコンドリア蛍光像の位置関係とほぼ一致しており、グルコキナーゼは糖刺激後、ミトコンドリアと結合するものと考えられた。 糖刺激前の核近傍に局在するグルコキナーゼと細胞内小器官の関係を見るため、ゴルジ装置を免疫染色したが、一致像を認めなかった。さらに、免疫電子顕微鏡観察を試みたが、染色後の固定、脱水などで細胞内小器官が破壊され、良好な像を得られていず、現在も条件設定中である。
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