1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
玉井 一 九州大学, 医学部, 助教授 (00128050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 直 九州大学, 医学部, 助手 (70199834)
上川路 信博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90224659)
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Keywords | バゼドウ病 / 自己抗原エピトープ / TSHレセプター / HLA-A2 / ペプチドモチーフ |
Research Abstract |
自己免疫性疾患,バセドウ病と相関のあるHLA-A^*0206分子により提示される自己抗原エピトープを同定する事を目標として研究を行った。甲状腺特異的蛋白のうちTSHレセプターのアミノ酸配列よりHLA-A^*0206結合ペプチドモチーフに合致するペプチドを選択し、14種類の9残基よりなるペプチドを合成した。まず、甲状腺の手術標本中に浸潤したT細胞をIL-2で非特異的に増殖させ、HLA-A^*0206を発現したEB細胞にペプチドを結合させた標的に対する細胞障害活性を測定したが、有意な結果を得られなかった。これは、以下の理由によると考えられる。1.目標とするT細胞のクローンサイズが小さい。2.手術時では、細胞障害活性が不活化されている可能性がある。そこで、未治療バセドウ病患者の末梢血中のT細胞を各々ペプチド特異的に増殖させ、細胞障害T細胞の有無を検討することが必要と考えられた。その為に、ペプチド特異的T細胞のプライミングシステムを開発することを目的として、以下の実験を行った。HLA-A^*0201に結合する任意のペプチドプールを作製し、各種サイトカインや、抗原提示細胞存在化にT細胞を増殖させ、ペプチド特異的細胞障害活性をT2細胞を用いて検討した。その結果、HLA-A^*0201を共有したアロ抗原提示細胞及び、IL-2,IL-7存在化で、効果的にペプチド特異的T細胞を誘導できることが明らかになった。現在、本手法により、未治療バセドウ病患者の末梢血を、TSHレセプターより選択した14種類のペプチドによりプライミングし、ペプチド特異的細胞障害活性を検討しているところである。
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