1997 Fiscal Year Annual Research Report
Bリンパ球欠損NODマウスにおける自己免疫糖尿病発症抑制機構の解析
Project/Area Number |
08671170
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永淵 正法 九州大学, 医学部, 助手 (00150441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 毅 九州大学, 医学部, 助手 (50213773)
渡辺 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
赤司 朋之 九州大学, 医学部, 医員
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Keywords | 糖尿病 / 膵島炎 / 自己免疫 / Tリンパ球 / Bリンパ球 / NODマウス / lprマウス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
免疫グロブリンμ鎖模型エクソンをジーンターゲティングによって欠損させたB6・μMTマウスのヘテロ接合体(B6・μMT/+)をNODマウスに8回back crossし、Bリンパ球欠損NODマウスのヘテロ接合体を作製した。ヘテロ同士を交配させ、雌のwild type(NOD・+/+)、ヘテロ(NOD・μMT/+)、ホモ(NOD・μMT/μMT)をそれぞれ15、34、17頭得た。genotypeは、PCR法およびFlow cytometryによって決定した。3週毎に血糖を測定し、糖尿病の発症の有無を調べた。任意血糖が250mg/dl以上を糖尿病と診断した。40週令での雌の発症率は、+/+は、μMT/+は87.8%(43/49)であった。それに対しBリンパ球欠損NODマウスであるμMT/μMTは発症しなかった(0/13)。Fisherの直接確率計算法ではP<0.0001で有意に糖尿病の発症は阻止された。Bリンパ球欠損マウスの病理組織で膵島炎は認められが、コントロールと比べて膵島炎の程度は明らかに軽度であった。以上のことから、Bリンパ球欠損NODマウスでは糖尿病の発症が著明に抑制され、膵島炎の程度は軽減されることが示された。Bリンパ球はNODマウスの糖尿病発症に必要と考えられた。(Int Immunol 9:1159-1164,1997)また、Bリンパ球欠損NODマウスでも膵島炎は軽微ながら存在することから、Bリンパ球はprimingに関わるよりは、免疫反応の増幅に関与していることがより示唆された。また、lprマウスでも同様のBリンパ球を欠損させたところ、リンパ節腫脹が消失した。さらにCD3+CD4+CD8-もしくはCD3+CD4-CD8+のリンパ球の著明な増殖抑制が認められた。(Immunology in press) 以上のことから、Bリンパ球はT細胞の増殖反応を介することによりNODマウスにおける膵島炎と糖尿病発症に関与すると考えられた。
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[Publications] Akashi K,Nagafuchi S,Anzai K,et al.: "Direct evidence for the contribuution of B cells to the progression of tnsulitis and the development of diabetes in non-obesediabetic mice" International Immunology. 9. 2259-2264 (1987)
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[Publications] Akashi K,Nagafuchi S,Kitamura D.et al.: "Proliferation of CD3+ B220- Single positive nornal T Cells was suppressed in B cell-deficient lpr mice." Immunology. (印刷中). (1998)
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[Publications] Anzai K,Nagafuchi S,Kikuchi M,et al.: "B2-glycoprotein 1-dependent and -independent anti-cardiolipin antibody in NOD mice." Clin exp Immunol. 111. 173-180 (1998)