1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトインスリン遺伝子プロモーターにおけるグルコース反応調節機構の解析
Project/Area Number |
08671174
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
城谷 哲也 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (30274715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40274716)
荒木 栄一 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (10253733)
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Keywords | インスリン遺伝子プロモーター / IPF1 / A3 element / protein kinase C / 転写因子 / EMSA |
Research Abstract |
本研究では、以下の1〜4を行った。 1.ヒトインスリン遺伝子プロモーターのグルコース反応領域の解析 CAT assayにより、ヒトインスリン遺伝子のグルコース反応領域が転写開始部位より上流のA3 element(TAAT配列)を含む-230から-200bpの約30bpに存在することを決定した。 2.グルコース反応領域に結合する転写因子の解析 ・-230から-200bpの合成oligo(プローブ)と、この領域内のTAATをTCCTに変異させたプローブを用いたEMSAにより、TAAT配列のA3 elementに結合したC1とC2のバンドを認めた。さらに、UV crosslink assayを行い、このC1,C2のバンドを形成する転写因子の分子量は、約36、48kDaであることが判明した。 ・A elementのTAAT配列に結合する転写因子のinsulin promoter factor1(IPF1)の抗体を合成ペプチド用いて作成し、同抗体を用いたEMSAにて、C2のバンドを形成する転写因子はIPF1,C1のバンドを形成する転写因子はdegradated IPF1又はIPF1の類似蛋白であることが示唆された。 3.A3 element(TAAT配列)に結合する転写因子の機能解析 酸フォスファターゼ処理した核蛋白を用いたEMSAにより、C1、C2のバンドが非処理バンドに比べTAAT配列への結合能が減少していることを確認し、転写因子のリン酸化が結合能に関与していることが示唆された。 4.IPF1のリン酸化アミノ酸の同定とprotein kinaseの機能解析 ・各抗ホスホタイロシン、ホスホセリン、ホスホスレオニン抗体を用いて、各グルコース濃度培養下の核蛋白とのウエスタンブロットを行った結果、高グルコースではIPF1のスレオニンのリン酸化が有意に増加していた。 ・各種のprotein kinaseを用いたin vitro phosphorylation assayにて、このスレオニンのリン酸化を調節しているのは、protein kinase Cの可能性が示唆された。
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