1996 Fiscal Year Annual Research Report
粥状動脈硬化症発症に対する血清PAFアセチルヒドロラーゼの影響
Project/Area Number |
08671182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
木下 誠 帝京大学, 医学部, 講師 (70186295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 洋由 東京大学, 薬学部, 助教授 (40167987)
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Keywords | PAF / PAFアセチルヒドロラーゼ / 酸化LDL / リゾリン脂質 / 動脈硬化症 / ホルモン補充療法 |
Research Abstract |
PAF Acetylhydrolase (PAF-AH)は様々な生理活性を示すPAF(Platelet Activating Factor)の分解酵素で、細胞内および血液中に存在している。血液中のPAF-AHはリポ蛋白と共に存在しており、動脈硬化症の原因となりうる酸化LDLを水解し、LysoPCを遊離することが知られている。酸化LDLはマクロファージの泡沫化を起こすことにより動脈硬化に促進的に作用すると考えられているが、逆にLysoPC自体も細胞毒性を持つことなどよりPAF-AHの動脈硬化に与える影響については現在のところ知られていない。今回PAF-AH欠損症患者の血清もしくは血漿を用いて、PAF-AHと動脈硬化症を誘発する因子との関係を検討した。その結果、PAF-AH活性欠損状態では動脈硬化症の誘因となりうるLPO濃度やLDL被酸化能は減弱する傾向にあることが判明したが、検体数に限りがあったことより有意差は得られなかった。またプロブコールやインターフェロン投与に伴うPAF-AH活性(比)が亢進することが明らかとなった。また更年期女性に対するホルモン補充療法でPAF-AH活性が低下することが明らかとなった。今後、細胞レベルでのPAF-AHの動脈硬化症に与える影響を検討する必要があると考えられる。
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[Publications] Gotoda T,et al.: "Skipping of exon 14 and possible instability...." Arteriosclerosi Thrombosis. (in press). (1997)
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[Publications] 木下誠: "LDL予防試験" Mebio. 14. 73-78 (1997)
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[Publications] 木下誠: "血清PAF-acetylhydrolaseの粥状動脈硬化症に...." 小野医学研究財団第7回研究成果報告書. 7. 131-137 (1996)
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[Publications] 木下誠: "Lp(a)測定は血栓傾向のマーカーとなるのか" 内科. 78. 453-455 (1996)
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[Publications] 木下誠 他: "運動とCETP,LCAT,LPL,HTGL" The Lipid. 7. 25-30 (1996)
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[Publications] 木下誠 他: "マクロファージからのコレステロールエステル引き抜きに.." Therapeutic Research. 17. 4806-4808 (1996)