1996 Fiscal Year Annual Research Report
単球/マクロファージの分化を調節する生理活性物質の精製とcDNAクローニング
Project/Area Number |
08671189
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
福生 吉裕 日本医科大学, 医学部, 助教授 (30150733)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 治久 日本医科大学, 医学部, 助手 (20267206)
永島 幹夫 日本医科大学, 医学部, 助手 (50198321)
|
Keywords | マクロファージ / 分化抑制 / 胸腺 / 動脈硬化 / サイトカイン |
Research Abstract |
・実験目的 血管壁内へ侵入したマクロファージは分化し変性LDLを貧食し泡沫細胞となるが、この抑制因子については知られていない。胸腺は成長早期に脂肪変性する。脂肪変性を生じていない幼若モルモット胸腺からの抽出液が泡沫化の抑制をおこなう事を見いだし、その因子の精製と物理化学的性質の解明をおこなっている。 ・経過について: 材料:目的とする因子が極微量で精製が困難であるため、まず材料を変更しブタ胸腺より精製をおこなったが、満足とする因子は精製されなかった。そこで再度モルモット胸腺を増し大量材料を出発点とした。100匹分のモルモット胸腺より材料をえた。 ・活性アッセイ法の改良について。:マクロファージの分化抑制活性の指標として、MTT法によるアッセイ系を用いた。この方法はOD570/OD650を測定する事により、大量に客観的に数値化してその活性を測定できる利点が有り、再現性に富み有効であった。イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、アフィニティークロマトグラフィーを使用し、精製を行った。 モルモット胸腺よりマクロファージの分化を抑制する因子を得た。 ・これまで分かった因子の性状について。 i)分子量は60kDAの可能性が高い。酸性糖蛋白である。 ii)細胞障害性はない。 iii)THP-1細胞ばかりでなく、ヒト単球の分化も抑制することが分かった。 iv)表面抗原CD36の発現を著明に抑制した。 v)Oil-red 0の取り込みを抑制した. vi)IL-10とは異なる因子であった。 ・現在アミノ酸配列に付いて検討中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ohmura N.Fukuo Y et al: "Accelated expansion of extrathymic T cells in the liver and other atheros clerotic lesions in mice fel with atherogeric diets" Biomedical Research. 17. 265-270 (1996)
-
[Publications] Fukuo Y et al: "A lipid lowering drug (Bezafibrate) has a faucvable effect in liver enzyme (Aep,rG" J・Nippon.Med.School. 65. 110-116 (1996)
-
[Publications] 福生吉裕: "Interleukin 2,IL-2,サイトカインの分子生物学" 動脈硬化. 17. 155-161 (1996)
-
[Publications] 福生吉裕: "Interleukin 15,IL-15,サイトカインの分子生物学" 動脈硬化. 17. 163-167 (1996)
-
[Publications] 福生吉裕: "単球・マクロファージの分化抑制の試みからの動脈硬化進展制御のアプローチ" Progress in Medicine. 16. 1219-1225 (1996)
-
[Publications] 福生吉裕: "高脂血症剤Bezafibrateの肝胆道系酵素に及ぼす効果について" 臨床成人病学会誌. 7. 11-17 (1996)