1996 Fiscal Year Annual Research Report
成人発症の男子オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症発症の分子機構
Project/Area Number |
08671192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
西依 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (30218226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳野 信 久留米大学, 医学部, 教授 (40080569)
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Keywords | オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 / 遅発型 / 発現実験 |
Research Abstract |
オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症患者の中には思春期以降に初めて発症する症例があるが、我々はこれら症例のOTC遺伝子の解析を行い、本年度、新に、1人のR40H変異をもつ患者を経験した。これまでの研究の結果からは変異酵素の活性の低下には翻訳後のメカニズムが関与していることを明かにしている。そこでR40H,あるいはY55D変異を導入したあるいはしていない野生型cDNAをβ-actinプロモーター支配下に置き、これをサイトメガロウイルスのエンハンサーとともに、プラスミドに挿入して、真核細胞での発現ベェクターを構築した。リポフェクチン法を用いて、培養細胞Cos1細胞に上記プラスミドを導入したところ、共導入した、β-galactosidase発現プラスミドによるβ-galactosidase活性は、cDNAを導入していないプラスミドを導入した細胞、野生型,R40H,Y55D変異cDNAを用いた各実験で、ほぼ同程度の導入効率を示していた、これに対し、OTC活性はcDNAを導入していないものでは67±23.5(nmol/min/mi),野生型では1955±140であるのに対し,R40H変異では670±130,Y55D変異では627±124と低下していた(n=3)、β-galactosidase活性で補正したOTC活性はR40Hでは野生型の約28%,Y55D変異では約野生型の26%に低下していた。活性低下の原因として、翻訳後のメカニズムの関与が想定されるので、細胞調製液を5回凍結融解をくり返し、再びOTC活性を測定したところ、Y55D変異蛋白には変化が認められなかったが、R40H変異蛋白は凍結融解前の約17%,に低下、野生型のOTC活性に、約6%に活性が低下することが、明かとなった。これらの実験により、R40H変異に関しては、翻訳後、特に蛋白質の不安定性が活性低下の原因となっていることが考えられた。
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[Publications] Ichiro Matsuda: "Phenotypic variability in male patients carrying the mutat ornithine transcarbomylase (OTC) allele, Arg 40 His, ranging from a child with an unfavourable prognosis to an asymptomatic dder adult." Journal of Medical Genetics. Vol33・No.8. 645-648 (1996)