1996 Fiscal Year Annual Research Report
粥状硬化巣に存在する脂溶性アルデヒドの壊死性中心形成機序と血小板活性化能の検討
Project/Area Number |
08671193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上戸 寛 久留米大学, 医学部, 講師 (30248455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小路 眞護 久留米大学, 医学部, 助手 (10281528)
林 秀樹 久留米大学, 医学部, 助手 (50238119)
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Keywords | 動脈硬化 / 過酸化脂質 / コアアルデヒド / 血小板活性化因子 / 血小板 / 血栓 / Acute Coronary Syndrome |
Research Abstract |
ホスファチジルコリン(PC)コアアルデヒドは,粥状硬化巣に存在する過酸化脂質であり,血小板活性化因子(PAF)類似の構造を持つ。1位がエステル結合したアシルPCが過酸化されると,アシルPCコアアルデヒドが生成し,エーテル結合したアルキルPCからは,アルキルPCコアアルデヒドが生成する。2位がアラキドン酸のPCからは,炭素鎖長5(C5)のC5コアアルデヒドが生成し,リノール酸のPCからは,炭素鎖長9のC9コアアルデヒドが生成する。 1-O-hexadecy1-2-(5-oxovaleroyl)GPC(C5アルキルPCコアアルデヒド),1-palmitoy1-2-(5-oxovaleroyl)GPC(C5アシルPCコアアルデヒド),1-palmitoy1-2-(9-oxononanoy1)GPC(C9アシルPCコアアルデヒド)の三種のPCコアアルデヒド標準品を作製し,その血小板凝集能を検討した。 C5アルキルPCコアアルデヒドは,約50nMのED50で,洗浄家兎血小板を凝集させた。1μMのC5アルキルPCコアアルデヒドによる血小板凝集反応は,0.1μMのCV-6209および50μMのBN52021という化学構造の異なる二種のPAF受容体アンタゴニストにより,それぞれ完全に抑制された。C5およびC9アシルPCコアアルデヒドは,10μMでも洗浄血小板を凝集させず,20μMでは溶解させた。1位のエーテル結合の重要性および,PAF受容体アンタゴニストを用いた検討から,C5アルキルPCコアアルデヒドは,PAF受容体を介して血小板を凝集させるものと考えられた。 この結果は,PCコアアルデヒドが,血小板凝集を介して,動脈硬化の進展発症に寄与している可能性を示唆する。さらに,PAF受容体を有する他の血管壁構成細胞に対しても,PCコアアルデヒドが生物活性を有する可能性も示唆している。
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