1997 Fiscal Year Annual Research Report
アポ蛋白A-I遺伝子変異のコレステロール逆転送経路に及ぼす影響
Project/Area Number |
08671196
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松永 彰 福岡大学, 医学部, 講師 (60221587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 淳 福岡大学, 医学部, 助教授 (90122697)
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Keywords | アポA-I / 遺伝子変異 / 低HDL血症 / リコンビナント / 発現 / 代謝回転 / コレステロール引き抜き |
Research Abstract |
高比重リポ蛋白(HDL)は冠動脈疾患の負の危険因子であり、HDLが著しく低下する遺伝性疾患では若年発症の動脈硬化性疾患の合併が多い。アポ蛋白A-I(アポA-I)は、抗動脈硬化作用を有する高比重リポ蛋白(HDL)の主要アポ蛋白であり、最も重要な生理的機能は、LCAT(lecithin:cholesterol acyltransferase)活性化とHDLの一員として末梢組織からのコレステロール引き抜き作用である。我々は、これまでに10種13家系(うち9種は世界で初めて発見された変異)のアポA-I変異体を見いだした。今回の研究では、検出したアポA-I変異体のうちLCATの活性化やコレステロール引き抜きに関係している可能性の高いと考えられたアポA-I(Tyr100His)Karatsu,アポA-I(Trp108Arg)Tsushima,アポA-I(Val156Glu)Oita,アポA-I(Glu235→0)Nichinanの変異遺伝子を大腸菌にトランスフェクションしてプロ体の変異及び正常プロアポA-1を発現させ、精製した。プロアポA-I(Glu235→0)Nichinanについて、マウス腹腔マクロファージからのコレステロール引き抜き作用の比較検討を行ったところ、プロアポA-I(Glu235→0)Nichinanでは、正常プロアポA-Iに比べ引き抜き作用著名に低下していた。また、家兎にヨードラベルした変異及び正常プロアポA-Iを静注後経時採血して代謝回転を比較したところ、プロアポA-I Nichinanで異化亢進が認められた。今後さらに種々のアポA-I遺伝子変異によるアポA-I機能障害の程度、メカニズムの検討を行い、コレステロール逆転送経路との関係を明らかしていきたい。
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Research Products
(1 results)