1997 Fiscal Year Annual Research Report
発作性夜間血色素尿症のPIG-A遺伝子異常出現機序についての研究
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08671233
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
待井 隆志 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 教授 (20177489)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部, 助手 (80283761)
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Keywords | PNH / PIG-A遺伝子 / GPIアンカー型蛋白 / CD59 / 再生不良性貧血 / 突然変異率 / Glycophorin A |
Research Abstract |
1.PNH phenotypeを有するAAにおけるPIG-A遺伝子の解析 PNHとAAの関連はよく知られ、AAでは高率にPNH phenotypeが出現する。de novo PNHとの間にPIG-A遺伝子変異パターンに違いがあるかを検討した。CD59欠損血球を認めたAA11例について,heteroduplex解析により10例にPIG-A変異を認め、6例で塩基配列を決定した。PIG-Aの変異は各症例で異なり、1例でオリゴクローン(3個)の存在が認められた。PNH phenotypeを示すAAでは、異常クローンのサイズが小さいことを除いて、de novo PNHとの間にPIG-A遺伝子変異のパターンの違いは認められなかった。 2.PNHおよび再生不良性貧血(AA)における突然変異率 PNHとAAにおける突然変異率をglycophorin A変異頻度測定法により検討した。PNH症例中MN型を示す9例について、血液型物質であるglycophorin Aの変異型の出現頻度を測定し、4例で有意に高い変異型の出現を認めた。この突然変異率の増加はCD59-赤血球のみならず、CD59+赤血球にもみられ、またAA患者の一部も高値を示した。PNHやAAでは突然変異率の増加がみられ、PIG-A異常の出現やPNHクローンの増殖への関与が示唆された。 3.急性白血病に移行したPNH例におけるPIG-A変異とクロナリティ PNHの一部は白血病化をきたすことが知られている。AMLを発症したPNH患者のPNHクローンと白血病細胞クローンの異同を検討した。白血病細胞にGPI-APの欠損を認め、成熟好中球と同一のPIG-A遺伝子変異を見いだした。また染色体分析で、白血病細胞にトリソミ-8を認めた。白血病細胞がPNHクローンに由来することを遺伝子レベルで明らかにし、そのtransformationに染色体異常の関与が示唆された。
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[Publications] Hattori H.et al.: "Increased freguency of somatic mutations at glycophorin A loci in patients with aplastic anemia,myelodysplostic syndrome and proxysmal nccturnal hemcglabinaria." Br J Haematol. 98. 384-391 (1997)
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[Publications] Nishimura J.et al.: "A patieut with paroryemal nocturnal hcmaglobinuria bearing Sour indepeudcut PIG-A mutant clonce" Blood. 89. 3470-3476 (1997)