1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671251
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
今川 重彦 自治医科大学, 医学部, 講師 (60231164)
|
Keywords | エリスロポエチン遺伝子 / GATA転写因子 / プロモーター |
Research Abstract |
我々は、従来エリスロポエチン(Epo)遺伝子の発現調節機序解析を行っている。最近では、cytochrome b-typeのへム蛋白がEpoの酸素センサーであると報告されたが、とするとH_2O_2がこの酸素センサーと転写因子を連絡するintracellular messangerである可能性が考えられる。そこでH_2O_2をHep3B細胞へ添加すると用量依存性にEpo蛋白・mRNA量が減少することを認めた。またH_2O_2によりGATA転写因子の発現は用量依存性に増加することを認めた。そこでヒトEpo遺伝子のプロモーター部位及びエンハンサー部位をluciferase遺伝子と結合させたPwtをHep3B細胞へ導入し、低酸素下で培養後luciferase活性を検討した結果、H_2O_2投与によりEpoのプロモーター活性は低下するがこれはcatalaseの前処理により解除されるためEpoプロモーター活性の低下はH_2O_2に特異的と考えられた。さらにPwtのGATA結合部位のmutant(Pm7)を用い同様の検討を行ったところ、Epoのプロモーター活性の低下は認められなかった。以上よりH_2O_2の効果はGATA転写因子に特異的でありEpoのプロモーター活性を低下させるものと考えられた。さらにmouse GATA-2プロモーター-145〜+171をluciferaseに結合させたmGB_1をHep3B細胞へ導入し、低酸素下でのluciferase活性を検討した結果H_2O_2によりmGATA-2プロモーター活性が亢進し、またcatalase投与によりこの活性亢進は解除されることを確認した。つまりH_2O_2によりGATAプロモーター活性が亢進し、GATA転写因子の発現レベルが亢進するためにEpo遺伝子のプロモーター活性が低下し、Epo遺伝子の発現が低下する機序が考えられた。現在、他の転写因子(HNF4,EAR3/COUP-TF1)に対するH_2O_2のEpo遺伝子発現に対する効果を検討中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Imagawa,S et al: "GATA transcription factors negatively regulate erythropoietin gene" Acta Hematol. 95. 248-256 (1996)
-
[Publications] Imagawa,S.et al: "Erythropoietin gene expression by hydrogen peroxide" Int.J.Hematol. 64. 189-195 (1996)
-
[Publications] Imagawa,S.et al: "Negative regulation of the erythropoietin gene expression by the GATA transcription factors" BLOOD. 89. 1430-1439 (1997)
-
[Publications] Imagawa S.,et al: "Nucleic Acids Symposium Series 35" Kosaku Hirota eds OXFORD UNIVERSITY PRESS OXFORD.UK.1996, 299-p300 (1996)
-
[Publications] Imagawa S.,et al: "Molecular Biology of Hematopoiesis 5" N.G.Abraham eds.Plenum Press,New York, 501-p513 (1996)