1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え血小板膜蛋白を用いた血小板代替物の作製
Project/Area Number |
08671258
|
Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村田 満 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50174305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40129614)
|
Keywords | 血小板 / 血小板膜蛋白 / フォンビルブランド因子 / 輸血 / 遺伝子組換え / リポソーム / 人工臓器 |
Research Abstract |
血小板輸血には供給の制限、感染症の伝播、同種免疫の成立、発熱など数々の問題点が存在する。本研究は十分な止血能を有し、生体適合性が良く副作用が少ない人工血小板代替物の開発を目的としている。我々は既に血小板のフォンビルブランド因子(vWF)受容体である膜蛋白GPIb/IXを、異物としての認識が少ないと考えられているリポゾームに導入することに成功している。本年度の研究ではさらに(1)in vitroの静止系でvWFが固相化されたマイクロタイターウエル表面への^3H-GPIbαリボゾームの粘着は添加liposome濃度に依存して増加すること、流動状態下でvWF固相化表面にrGPIbαリポゾームを還流するとΔFの増加を伴わない一過性の粘着が観察され、その粘着量は固相化VWF濃度に強く依存すること、(2)in vivoで血管傷害や血栓形成部位への集積性を放射ラベルしたrGPIbαリボゾームを用いて検討すると、ラット頚動脈シャントモデルにおいてはrGPIbαリポゾームはコントロールに比較して有意に血栓への集積性が高いことが示された。また標識rGPIbαリポゾームは動物血管壁ブロックに特異的に粘着した。すなわちGPIbαリポゾームがin vitroでvWFに特異的に粘着し、in vivoで血栓に集積することが明らかになった。これはGPIbαリポゾームが止血効果を有する代替物として作用する可能性を強く示唆する所見である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 村田 満ほか: "血小板代替物の意義と開発の現状" 人工血液. 6(1). 1-5 (1998)
-
[Publications] 村田 満: "人工血小板" 組織培養工学. 24(13). 13-15 (1998)
-
[Publications] Murata et al: "Platelet substitutes" Low Temperature Medicine. 23(3). 169-175 (1997)