1996 Fiscal Year Annual Research Report
メサンギウム細胞の機能調節における陰イオンの意義:C1ブロッカーを用いた検討
Project/Area Number |
08671273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 俊洋 東京大学, 保健管理センター, 助手 (80177170)
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Keywords | メサンギウム細胞 / クロライド / プロスタグランディン / c-AMP / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本年度の検討において我々の得た知見は以下の通りである。 1.メサンギウム細胞において細胞外C1濃度を低下させると24時間後、48時間後のthymidineのDNAへの取り込みが抑制された。 2.プロスタグランディンE2の存在下ではメサンギウム細胞におけるthymidineのDNAへの取り込みが抑制された。 3.インドメサシンの存在下には細胞外細胞外C1濃度低下によるthymidineのDNAへの取り込みの抑制は回復した。 4.cAMP産生を刺激するforskolinの存在下ではメサンギウム細胞におけるthymidineのDNAへの取り込みが抑制された。 5.A-kinaseの阻害剤であるH-89の存在下でも細胞外C1濃度低下によるthymidineのDNAへの取り込みの抑制は回復した。 6.メサンギウム細胞によるcAMPの産生は細胞外C1低下、プロスタグランディンE2存在下、forskolin存在下いずれの場合も増加が見られた。 以上よりメサンギウム細胞において細胞外C1濃度の低下はプロスタグランディン産生、およびそれに続くcAMP産生を介してDNAのthymidineの取り込みを抑制すると我々は結論した。この知見は、メサンギウム細胞の機能の制御にC1がプロスタグランディン・cAMPの代謝の変化を起こすことにより重要な働きを持つとする、従来からの我々の仮説を新たに裏付けるものであるといえる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Arakawa,T.,Okuda,T.et.al.: "Extracellular Cl^- Concentration Attenuates Cultured Rat Mesangial Cell Proliferation Via PGE_2-cAMP Dependent Pathway(Asbtr.)" J.Am.Soc.Nephrol.7(9). 1653- (1996)
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[Publications] Hori.Y.,Okuda,T.et.al.: "Anti-Latent Transforming Growth Fuctor-β Binding Protein(LTBp)Antibody or Synthesized Oligopeptides Inhibit Extruclellualr Matrix(ECM)Expression Induced by Stretch in Cultured Rat Mesangial Cells(MC)(Asbtr.)" J.Am.Soc.Nephrol.7(9). 1856- (1996)
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[Publications] Chang,T.,Okuda,T.et al.: "Serum hepatocyte growth factor concntration in patients with various degrees of chronic reral falilure" Nephrology. 2. 175-179 (1996)