1996 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸並びに抗IL-6レセプター抗体によるメサンギウム増殖性腎炎の治療
Project/Area Number |
08671285
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西本 憲弘 大阪大学, 医学部, 助手 (80273663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋 良仁 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
吉崎 和幸 大阪大学, 健康体育部, 教授 (90144485)
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Keywords | メサンギウム増殖性腎炎 / IL-6 / オールトランスレチノイン酸 / IL-6トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
メサンギウム増殖性腎炎発症の原因の1つにメサンギウム細胞のIL-6によるオートクライン増殖機構の関与が示唆されている。そこで新しい治療法を開発する目的で、IL-6の産生及びIL-6レセプター複合体の発現抑制作用を有するオールトランスレチノイン酸(ATRA)によるメサンギウム細胞の増殖抑制効果をin vitroならびにモデルマウスを用いてin vivoで検討した。分離したラットメサンギウム細胞に対するATRAの増殖抑制作用を3H-TdRを用いて検討したところ、ATRAは濃度依存性にメサンギウム細胞の増殖を抑制した。次に、in vivoにおけるATRAの効果をIL-6トランスジェニックマウスのメサンギウム増殖性腎炎モデルを用いて検討したところ、コントロール群では8週齢より尿蛋白・尿潜血が出現し始め、12週齢時には全例陽性になったが、ATRA経口投与群では尿蛋白・尿潜血の出現時期・程度ともに抑制され、濃度依存性も示した。また、組織学的に検討したところ、コントロール群ではメサンギウム細胞の著しい増殖が観察され、毛細血管が閉塞しており、血流の低下が推測された。しかし、ATRA投与群では毛細血管の形態が保持され、メサンギウム細胞の増殖も軽度にとどまっていた。この効果は、IL-6レセプター抗体投与群においても認められた。また、マウスの血中IL-6は有意に抑制されていた。以上の結果から、ATRAによるIL-6シグナル伝達阻害がメサンギウム増殖性腎炎の治療に有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Nishimoto,Y.Shima,K.Yoshizaki,and T.Kishimoto: "Myeloma Biology and Therapy" Hematology/Oncology Clinics of North America. (in press).
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[Publications] N.Nishimoto,S.Suematsu,and T Kishimoto: "Plasma Cell Dyscrasias" Advances in Immunology. (in press).
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[Publications] Y.Shima,N.Nishimoto,K.Yoshizaki,and T.Kishimoto: "Fas Antigen/APO-1 (CD95) Expression on Myeloma Cells" Leukemia and Lymphoma. 23. 521-531 (1996)
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[Publications] J.T.Tang,H.Yamazaki,N.Nishimoto,K.Yoshizaki et al.: "Effect of Radiotherapy on Serum Level of Interleukin 6 in Patients with Cervical Carcinoma" Anticancer Research. 16. 2005-2008 (1996)
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[Publications] 吉崎 和幸、嶋 良仁、佐伯 行彦、西本 憲弘: "膠原病治療の展望:ステロイド治療から抗体療法まで" 日本内科学会雑誌. 85・11. 83-89 (1996)
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[Publications] 笹井 光子、西本 憲弘、良崎 和幸: "慢性関節リウマチにおけるサイトカインを標的とした治療" 最新医学. 51・12. 2373-2377 (1996)