1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞接着分子の機能を制御することによる腎疾患の新しい治療法の開発
Project/Area Number |
08671287
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
槇之 博史 岡山大学, 医学部, 教授 (50165685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 浩明 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
林 佳子 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 腎臓 / 腎炎 / 細胞接着分子 / セレクチン / 炎症 / 免疫 / マクロファージ / 好中球 |
Research Abstract |
セレクチンは白血球および血管内皮細胞に発現する細胞接着分子であり、炎症巣への白血球浸潤の過程に重要な役割を果たしている。近年、細胞接着分子の結合を阻害することにより白血球の浸潤を抑制して、炎症性疾患を治療する方法(細胞接着分子阻害療法)が試みられている。我々は、糸球体腎炎に対する細胞接着分子阻害療法の応用の可能性を基礎的に検討した。スルファチド及び硫酸化ヒアルロン酸は、in vitroにおけてP-セレクチン、L-セレクチンの結合を競合的に阻害する活性を持つ。スルファチド及び硫酸化ヒアルロン酸の腎疾患治療への応用の可能性を明らかにために。間質に著明な白血球浸潤を来す動物モデルである、尿管結紮ラットとメサンギウム増殖性糸球体腎炎のモデルであるThy-1腎炎ラットにスルファチド及び硫酸化ヒアルロン酸を腹腔内投与した、白血球浸潤に対する抑制効果を検討した。その結果、尿管結紮ラットにおいてはスルファチド及び硫酸化ヒアルロン酸によって間質への白血球浸潤が有意に抑制された。Thy-1腎炎ラットにおいては、糸球体、間質への白血球浸潤が抑制されるとともに、蛋白尿減少降下が認められた。以上の結果から、スルファチド及び硫酸化ヒアルロン酸は、in vivoにおいてP-セレクチン、L-セレクチンの結合を阻害することにより、腎組織への白血球浸潤を抑制することが明らかになった。抗セレクチン剤は腎疾患の治療に応用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 槇野 博史 他: "糖尿病性腎症概論 病理と形態" 糖尿病と透析療法. 53-63 (1996)
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[Publications] 弘中 一江 他: "糖尿病性腎症の尿球体病変-免疫組織化学および電顕的検討-" Diabetes Frontier. 7. 521-526 (1996)
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[Publications] 槇野 博史 他: "糖尿病性腎症における尿細管異常とAGE" 内分泌・糖尿病科. 3. 512-518 (1996)
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[Publications] 槇野 博史 他: "腎障害を伴う糖尿病の治療" Medical Practice. 13. 923-927 (1996)
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[Publications] 槇野 博史 他: "腎臓病 最近の話題 サイトカインと接着分子" 富士レビオ株式会社, 248 (1998)