1997 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性ネフローゼ症候群に伴う脂質代謝異常による腎障害進行機序の解明
Project/Area Number |
08671306
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50192274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60057073)
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60146438)
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Keywords | ネフローゼ症候群 / 高脂血症 / 腎障害 / 腎糸球体硬化 / メサンギウム細胞 / 形質変換 / マクロファージ / 巣状糸球体硬化症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、著明な高脂血症を伴った小児難治性ネフローゼ症候群でみられる腎障害の進行(とくに糸球体硬化病変形成)過程におけるメサンギウム細胞の役割について、とくにメサンギウム細胞の形質変換が細胞外基質異常をもたらし糸球体硬化を促進する可能性を明らかにすることである。 本研究より、小児期難治性ネフローゼ症候群の代表的疾患である原発性巣状糸球体硬化症の一部の症例では病初期にメサンギウム細胞のmyofibroblastへの形質変換が起きていること、そしてこのmyofibroblastへ形質変換したメサンギウム細胞によるde novoのtype IIIコラーゲン産生が糸球体硬化病変形成過程に関与していること、さらにメサンギウム細胞のmyofibroblastへの形質変換には糸球体内へ浸潤したマクロファージが関与している可能性があることなどが明らかとなった。 そこで、メサンギウム細胞の形質変換過程におけるメサンギウム細胞と浸潤マクロファージとの間のクロストークの詳細を明らかにする目的で、とくにマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)に注目し、ヒト腎生検材料でのM-CSFの腎内発現について免疫組織染色ならびにin situ hybridization法を用いて今後も引き続き検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hattori M, et al.: "Mesangical phenotypic changes associated with cellular lesions in primary focal segmental glomerulosclerosis" American Journal of Kidney Diseases. 30. 632-638 (1997)
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[Publications] Miyazaki K, et al.: "Up-regulation of macrophage colony-stimulating factor (M-CSF) and migration inhibitory factor (MIF) expression and monocyte recruitment during Lipid-induced glomerulor injury in the exegenous hyperchobesterolaemic (EXHC) rat" Clinical and Experimental Immunology. 108. 318-323 (1997)
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[Publications] 服部元史, 他: "高脂血症病態下におけるマクロファージの糸球体内浸潤機序とその病的意義" 日本小児腎臓病学会雑誌. 10. 189-194 (1997)