1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
飛田 公理 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70266740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241068)
安井 寛 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60210241)
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
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Keywords | エンドセリン-1 ノックアウトマウス / 血行動態 / 循環系の発生 |
Research Abstract |
背景:エンドセリン-1ノックアウト(以下ET-1ko)マウスホモ個体には、心室中隔欠損、両大血管右室起始などの円錐動脈幹奇形が1/4-3/1にみられる。この成因として、鰓弓動脈の形成異常から二次的に生じる血行動態異常の関与している可能性を探るため、心室収縮動態の解析を行った。方法:胎生11日目のET-1koマウス胚仔の心臓の動きを従来報告してきた方法に従ってハイスピードビデオカメラを用いて撮影、両心室をトレース後各指標を算出し、コントロール(へテロ、野性型)と比較した。また、ホモ胚仔では肉眼的に心房拡張が認められ、心室拡張機能低下が疑われたため、心室拡張期(受動的拡張期と心房収縮期)におけるbeat by beatの面積変化を、exponential regressionにより拡張率を算出してコントロールと比較した。結果:右室・左室面積比(ホモ1.09【+-】0.07対コントロール1.35【+-】0.08)の低値、右室収縮率(ホモ0.39【+-】0.02対コントロール0.31【+-】0.02)の増大を認めた。心室拡張率は、受動的拡張期と心房収縮期ともにコントロールとの差はなかった。考察:ET-1koマウスホモ胚仔は右室面積低値、収縮率増大を示し、その原因として右室内の非収縮要素=間葉組織の一次的低形成の関与が示唆される。また、心室拡張率の低下を認めなかったことから、ホモ胚仔に見られる心房拡張は心房組織の一次的異常による可能性が高いが、心室拡張機能の評価方法の感受性が充分高くなかった可能性も考えられ、ほかの評価方法を含め、今後の検討を要する。今後の予定:ビデオによる評価の次の段階として、血圧測定・血流速度測定による評価を行う。(servo-null血圧計を用いた心室圧・動脈嚢圧、心房圧の測定をすでに開始している。)また、ET-1ノックアウトマウスの循環系のextrinsic endothelinへの反応性を調べる。
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