1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市川 直哉 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (60251451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨川 伸二 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40164016)
別宮 好文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70199454)
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Keywords | バクトボラミン / ラット心移植 / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
バクトボラミン(BBL)がラット肝移植,マウス皮膚移植,イヌ腎移植において移植された臓器の生着に有効であることを,すでに我々の研究室から報告した. 今回,ラット心移植モデルを用いたBBLの生着延長効果および,組織学的検討を行った.BBL投与量を100mg/kg/日,200mg/kg/日とした.投与経路は静脈内とした.ドナー・レシピエント間の組織適合性の隔たりが大きく,比較的生着が困難とされるhigh responderの組み合わせとして,ACI系ラットをドナー,LEW系ラットをレシピエントとした.この組み合わせでは,対照群の移植心生着日数は6.0日,BBL投与群(100mg/kg/日)では6.7日,BBL投与群(200mg/kg/日)では7.4日であった(P=0.0013,log-rank test).一方,組織適合性の隔たりが小さいlow responderの組み合わせとして,F344系ラットをドナー,LEW系ラットをレシピエントとした群では,対照群の移植心生着日数は9.6日,BBL投与群(200mg/kg/日)は12.7日であった(P=0.0019).組織学的検討ではBBL投与群の方が,心移植後3日目,および7日目の組織像で,細胞浸潤などの急性拒絶反応の所見は少なかった. BBL投与により,いずれの群でも統計学的には有意に生着延長効果が見られたが,現在のところ移植臓器の長期生着は得られていない.今後は,BBLと他の免疫抑制剤との併用について研究を進める予定である.
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