1997 Fiscal Year Annual Research Report
外科侵態後の低酸素環境におけるエネルギー代謝上の調節とリンの役割
Project/Area Number |
08671341
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 芳和 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (10175614)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金内 一 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (20242141)
小川 利久 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (80224111)
|
Keywords | エッドトキシン血症 / 低酸素 / 尿中リン排泄 / 腎神経 |
Research Abstract |
前年度ではつぎのことを明らかにした:手術後のhypoxiaでは,(1)エネルギー産生上,重要なelementである無機リン(Pi)の排泄は抑制される;(2)腎からのnorepinephrine排泄は増加し,dopamine排泄は低下する.Hypoxia時のPiの体内貯留は,腎でのnorepinephrine産生増加と関係しているとわたしたちは考え,つぎの実験をおこなった. 目的:Hypoxiaを本態とするendotoxemiaでは腎神経切除(DNX)によって,Piの体内貯留が抑制されてPi排泄(u-Pi)が高まるか,ratsで調べた. 方法:(1)急性実験の14日前に両側DNXをしたratsを使用した.DNXに対する。controlはsham operation(INN)とした.(2)60分の平衡時間ののちに30分間の腎clearance testをおこない,Escherichia coli endotoxin(Et)4mg/kgを静脈内に単回投与した.Et投与120分後に2回目のclearance testをおこなった.Et投与に対する。controlとして同量のsalineを投与した.(3)グループ:A)Et投与群:a)DNX rats(n=10),b)INN rats(n=12);B)Saline投与群:a)DNX rats(n=9),b)INNrats(n=7).統計はunpaired t testを使用した. 結果:(1)腎機能:Et投与はGFRを有意に低下させた(saline投与に比べて).この低下したGFRはDNXによってsaline投与レベルに回復した.(2)u-Pi:Et投与ではu-Piは有意に低下した(saline投与に比べて).この低下したu-PiはDNXによってsaline投与レベルまでには回復しなかった. まとめ:Et投与による早期のu-Pi低下作用はDNXによって回復しなかった.この実験で用いたラットはintactな上皮小体をもっていること,u-Piに影響する最大の因子はPTHであることから,Et血症ではPTHのPi排泄能に交感神経は大きな役割をもっていないようである.
|
Research Products
(1 results)