1996 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的特性を備えた新たなハイブリッド人工血管の開発
Project/Area Number |
08671347
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
多田 祐輔 山梨医科大学, 医学部, 教授 (70010246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 修 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90242643)
進藤 俊哉 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50206322)
|
Keywords | 細胞培養 / ハイブリッド型人工血管 / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 |
Research Abstract |
小口径人工血管では、自家静脈に匹敵する開存率を持つものがなく、その開発が急務とされている。自家静脈自身は、心臓手術に使用される場合も多いため、バイパス可能でもそれに適した静脈が既に使用されているために無く、手術をあきらめる場合もある。人工血管開発の方向として、現在最も優れている自家静脈に近づける方法がある。いわゆるハイブリッド型人工血管がそれである。それを、更に生体血管に近づけるために、血管壁細胞、細胞外マトリックスも生体材料で作成することを発想した。ヒト臍帯静脈グラフトを利用することで、in vitroでの作成は可能となったが、in vivoでの検討が未だ成されていない。それ故、生体材料のみを用いた人工血管を作成し、それを動物に移植して生体内での組織変化を検討することを目的として実験を行った。 イヌを用い、静脈を無菌的に採取することにより内皮細胞、平滑筋細胞を得た。細胞培養を続けることで充分量の細胞数を得た後、ヒト臍帯静脈グラフトに移植し、それを更に同じイヌに移植する。移植手術後一定時期にイヌよりグラフトを切除し、その組織変化を検索することとした。現在細胞移植に関する最適な方法を(1)細胞数(2)培養期間(3)移植方法に関してin vitroで検索中である。特に組織学的検討によりその経時的変化を観察している。現時点の問題としては(1)イヌの入手が困難であること(2)グラフト壁内に移植した平滑筋細胞が静置培養によって充分な拡散、増殖が得られないことが挙げられる。
|