1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671347
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Research Institution | Yamanashi Medical University |
Principal Investigator |
多田 祐輔 山梨医科大学, 医学部, 教授 (70010246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 俊哉 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50206322)
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Keywords | 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 小口径人工血管 / 生体材料 |
Research Abstract |
生体材料のみで作成する小口径人工血管の埋め込み実験を行った。 まずイヌの外頚静脈を採取し酵素法により内皮細胞、平滑筋細胞を採取した。37℃、5%CO_2の培養器内にて静置培養を行い細胞数を増やした後、トリプシン処理にて細胞浮遊液を作成した。 ヒト臍帯静脈グラフトを抗生物質を加えた生理食塩水内で約2週間保存し、周囲のメッシュを切除、グラフト本体のみとした。組成の主成分はコラーゲンである。まずこのコラーゲン管の壁内に平滑筋細胞浮遊液を注射器を用い注入した。次いで内皮細胞浮遊液をグラフト内に誘導し両端を閉鎖、培養器内に水平に留置し10分ごとに90度づつ2時間の間回転させた。翌日内皮細胞浮遊液を回収し、その後1週間培養を続けた後に1部を組織検査に用い、残りの部分を同じイヌの腹部大動脈に移植した。移植後1週間で回収し検討を加えた。 イヌへの移植まで培養を行えたものは3例で、うち1例は感染し、2例は閉塞した。組織学的検討では、移植前のグラフトには内腔に内皮細胞、壁内に平滑筋細胞が確認されたが、イヌより回収したグラフトには細胞の生着は確認されなかった。 今回の実験の問題点として、1)臨床材料のヒト臍帯静脈グラフトはアルコール液内で保存されているため、細胞毒性を完全に除去できなかった。2)それによりグラフトヘの細胞の生着が不完全であった。3)イヌへの移植実験で感染を来すような不備があった。等が考えられた。今後は使用するグラフト材料、実験に供する動物種、細胞付着の方法等の改善を行い実験を続けて行くつもりである。
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Research Products
(1 results)