1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫機構構築SCIDマウスを用いたhIL-12のキラー活性増強法に関する研究
Project/Area Number |
08671350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 元久 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20224545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 敬夫 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223614)
宮 喜一 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (10190729)
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Keywords | IL-12 / SCIDマウス / CTL / IFNγ |
Research Abstract |
human (h) IL-12のin vivoにおける抗腫瘍免疫賦活効果、in vitroにおけるhuman IL-12を用いた効果的CTLの誘導法などを検討する目的で以下の研究をすでに終了、または遂行中である。 (1)SCIDマウスに胃腺癌より樹立されたヒト癌細胞株MKN-45を移植し、effector細胞としてヒト末梢血単核球(PBMC)を移入したモデルを用いhIL-12のin vivoでの抗腫瘍効果を検討した。(a)群:MKN-45,5×10^5個,(b)群:PBMC,3×10^7個,(c)群:MKN-45,5×10^5個+PBMC,3×10^7個,(d)群:MKN-45,5×10^5個+PBMC,3×10^7個+IL-12,2μgをそれぞれ同時に腹腔内投与し、(a),(b),(c)群はHanks液のみ、(d)群はIL-12,1μgを週5回4週間連続腹腔内投与した。マウス血清のIg値を週1回6週目まで、IFNγを2,4,6週目に測定した。6週目にマウスを犠牲死させ腹腔内腫瘤容積を測定した。その結果、1)マウス血清Ig値は、d群が1週目でb,c群に対し有意に高値となり、5,6週目でも高値をとる傾向を示した。また、a群は常時測定限界以下であった。Western blot法で、d群5週目のマウス血清を解析したところ、MKN-45に特異的な抗体が検出された。2)a),(c)群で腫瘍の増殖がみられたのに対し、(d)群においては腫瘍は完全に拒絶された。3)マウス血清IFNγは、d群が2週目でc,d群に対し有意に高値となったが、4週目以降は漸減し有意差は消失した。a群は常時測定限界以下であった。(第9回BRM学会で発表) (2)HLAがA1101/3101のhealthy volunteerのPBMCを用いて、A locusのみがmatchしたMKN28 (A3101/3101),菅野株(A0207/3101)A,B,CすべてのlocusがmismatchのColo320の3種の刺激細胞とMLTCを行った後、固層化抗CD3抗体で刺激しつつ(1) IL-2群(2) IL-2+IL-12群の2群に分けた培養液で培養し^<51>Cr cytotoxicity assay,細胞表面抗原、接着分子を解析し、MHC拘束性にCTLが誘導されることを確認する予定で、実験中である。 (まとめ)human IL-12は、腫瘍を腹腔内に移植しPBMCを腹腔内に移入したモデルでは抗腫瘍効果を示したが、腫瘍を皮下へ移植しNK細胞を腹腔内に移入したモデルでは全く無効であった。従って、臨床で高い抗腫瘍効果を得るのには、effector細胞が効率よく腫瘍細胞に到達できる条件を考慮する必要があると思われた。
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Research Products
(1 results)