1996 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン・クランプ中の中鎖脂肪酸脂肪乳剤の至適投与速度
Project/Area Number |
08671355
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
入山 圭二 三重大学, 医学部, 助教授 (10024754)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 誓雄 三重大学, 医学部, 助手 (50242962)
|
Keywords | 脂肪乳剤 / 中鎖脂肪酸脂肪乳剤 / 長鎖脂肪酸脂肪乳剤 / 脂肪加水分解 / トリグリセライド・クランプ / インスリンクランプ / 投与速度 |
Research Abstract |
中鎖脂肪酸脂肪乳剤(MCT)の代謝は、血管内での加水分解、組織への取り込み、細胞内代謝を通じて長鎖脂肪酸脂肪乳剤(LCT)に比べて速いとされている.従ってMCTはLCTに比べて速い速度で投与してもよいと考えられがちである.本研究はインスリン・トリグリセライド同時クランプ法を用いてMCT/LCT混合脂肪乳剤の至適投与速度を健康成人男性を対象として検討した.使用したLCTは20%ダイズ油であり、MCT/LCTはトリカプリリン/ダイス油=重量比:1の10%blended mixtureである.ブドウ糖を0.32g/kg/hで定量投与して得られるインスリン・クランプ(11μU/ml)中に、MCT/LCT群でΔ1.65±031mmol/l、LCT群で1.08±0.18mmol/lにトリグリセライド(TG)を150分間クランプした.TGクランプ中に投与されたMCT/LCT,LCTの総投与量から至適投与速度を算出した.その結果重量ベースからみた至適投与速度はMCT/LCT群で0.125±0.013g/kg/hであり、LCT群では0.117±0.021g/kg/hで差を認めなかった.これに対してモル・ベースから計算した至適投与速度は、MCT/LCTで0.203±0.021mmol/kg/hであったが、LCTは0.132±0.023mmol/lとなり、MCT/LCT分子はより多く加水分解されていることが判明した.臨床では脂肪乳剤の投与速度はg/kg/hで算出されるのが一般的であり、この意味より、MCT/LCTはLCTに比べて速い速度(g/kg/h)で投与可能と考えるのは誤りである.今後手術侵襲後の患者での至適投与速度を決定する必要がある.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Keiji Iriyama: "Elimination rate of fat emlsion particles from plasma in Japanese subjects as determined by a triglyceride clamp technique." Nutrition. 12. 79-82 (1996)
-
[Publications] Keiji Iriyama: "Elimination of fat emulsion particles from plasma during glucose infusion." British Journal of Surgery. 83. 946-948 (1996)
-
[Publications] Keiji Iriyama: "The metabolic distinctiveness of emulsified lipid particles in the bloodstream and its clinical implications." Surgery Today. 26. 673-678 (1996)
-
[Publications] 入山圭二: "中鎖・長鎖混合脂肪乳剤(MCT/LCT)の至適投与速度" 日本静脈・経腸栄養研究会誌. 12. 184-186 (1997)