1996 Fiscal Year Annual Research Report
MUC-1分子の腫瘍抗原性の解析と遺伝子導入併用養子免疫抗癌治療への応用
Project/Area Number |
08671356
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
井上 修平 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30273402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 弘文 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20111974)
岡田 慶夫 滋賀医科大学, 医学部, 学長 (10106825)
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Keywords | MUC-1分子 / 腫瘍抗原性 / 抗腫瘍免疫応答 / 遺伝子導入 / 抗癌免疫治療 / 臨床応用 |
Research Abstract |
1.MUC-1遺伝子導入細胞株の作成とin vitroでの抗腫瘍免疫誘導能の解析 抗腫瘍免疫誘導能を持たないMUC-1分子欠如株NZK-K1に、同分子cDNAをelctroporation法により導入した。得られた遺伝子導入株のフェノタイプをフローサイトメトリー法により解析したところ、その細胞表面に明らかなMUC-1分子発現が認められた。これをシアリダーゼ処理することにより、同分子の特にコア蛋白部分発現が増強した。親株、酵素処理および非処理導入株を標的とし、患者末梢血単核球による自家腫瘍細胞傷害試験を^<51>Cr release assayにより解析した。MUC-1分子発現株に対し強い細胞傷害が誘導されたが、同分子欠如親株NZK-K1に対しては認められなかった。 2.MUC-1遺伝子導入株に対する細胞傷害Tリンパ球(CTL)の樹立とそのキャラクター解析 自家末梢血単核球を一定期間IL-2存在下においてMUC-1遺伝子導入株で刺激し、CTLを誘導した。親株NZK-K1と遺伝子導入株に対する細胞傷害試験を行ったところ、MUC-1分子に対し強い抗原特異性を示した。この試験において抗体添加による傷害抑制効果を調べた結果、CTLはTCRαβ/CD4陽性Tリンパ球であることがわかった。 同様にして健常人の末梢血単核球よりCTL誘導を試みた。MUC-1欠如株および遺伝子導入株に対する細胞傷害試験を行い、MUC-1分子特異性と抗原認識に際するMHC非拘束性が確認された。
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