1996 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた異種膵ラ氏島移植拒絶反応の解析
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08671402
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安波 洋一 福岡大学, 医学部, 助教授 (00166521)
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Keywords | 異種移植 / 拒絶反応 / 膵ラ島移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は異種膵ラ氏島移植拒絶反応に関して、ノックアウトマウスを用い、より詳細に拒絶反応のメカニズムを解析し、異種移植拒絶反応の新たな制御法を見出すことにあった。 1。ラットからマウスへの異種膵ラ氏島移植拒絶反応の解析 ラット(Lewis)単離膵ラ氏島(500)をSTZ糖尿病マウス(BALB/c)の経門脈的肝内に移植した。拒絶反応が発現した時点でレシピエントより肝臓を摘出、単核球を単離しFACSで解析した。脾細胞、胸腺細胞、末梢血単核球も同様に解析した。拒絶反応発現時の肝臓単核球では、isograftsと比較しCD3^+IL-2Rα^-β^+、CD3^+CD8α^+β^+、TCRαβ^+LFA-1^+のintermediateT cellsが増加することが判明した。CD3^+IL-2Rα^+,CD3^+CD4^+,CD3^+TCRγδ^+,CD3^-IL-2Rβ^+(NK cells)、B220^+(B cells)には有意の変化はなかった。 2。ノックアウトマウスを用いた解析 CD8-/-マウスをレシピエントとした場合、拒絶反応は正常マウスと同様に発現した。拒絶反応発現時の肝臓単核球は、1と同様にintermediateT cellsが有意に増加してた。 CD4-/-マウスは現在検討中である。 3。新たな拒絶反応制御法 上記知見により、膵ラ氏島異種移植拒絶反応の発現にintermediateT cellsが関与している事が判明した。次に、intermediateT cellsを標的にしたモノクローナル抗体(anti-IL-2Rβ)の拒絶反応に及ぼす影響を検討した。その結果、anti-IL-2Rβ抗体で拒絶反応を制御できることが、明らかになった。 本研究により、異種移植拒絶反応には、intermediateT cellsが重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 永井 哲: "Amelioration of hyperglyemia in streptozotocin-induced diabetic rats receiving a marginal mass of islet grafts by troglitazone,an oral antidiabetic agent." Pancreas. 13巻4号. 381-387 (1996)
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[Publications] 池原康人: "抗IL-2Rβモノクローナル抗体による異種膵ラ氏島拒絶反応の制御" 日本外科学会雑誌. 98巻増刊号. 357 (1997)
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[Publications] 永井 哲: "同種膵ラ氏島の肝内移植後に発現する拒絶反応の解析:マウスストレインによる免疫反応の相違とグラフト生存に及ぼす影響" 日本外科学会雑誌. 98巻増刊号. 358 (1997)
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[Publications] 安波洋一: "異種膵ラ氏島移植に於ける拒絶反応の解析:ドナーの種属差による拒絶反応メカニズムの相違" 移植. 31巻臨時号. 204 (1996)