1996 Fiscal Year Annual Research Report
Neutrophil kinetics制御による急性膵炎重症化阻止の試み
Project/Area Number |
08671404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 和憲 東北大学, 医学部, 講師 (20171639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 眞琴 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10201584)
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Keywords | 微小循環 / 急性膵炎 / 白血球 |
Research Abstract |
白血球の炎症組織内への浸潤の第一段階である"rolling"の評価を、蛍光生体顕微鏡を用いて行った。ラット懐死性膵炎モデルは、胆膵管に胆汁酸(GDCA)0.2mlを逆向性に注入した後、セルレインを持続静注して作成した(N群)。生理食塩水の持続静注を行ったものを対照群(C群)とした。白血球はCSFEの静注によって蛍光標識し、CCDカメラを用いて画像化した。膵炎惹起後、経時的に膵集合静脈に流入する"rolling"白血球の、rolling速度(r)と血管の中央部血流速度(V)との比(r/V ratio)、単位時間あたりに流入する白血球数の推移(Influx number)、および接着白血球数の推移(Sticking)を定量化した。 r/V ratioは膵炎惹起前N群0.093、C群0.079であったものが、膵炎惹起15分後N群0.090、C群0.019、30分後N群0.087、C群0.049と膵炎惹起15分後においてrolling白血球の相対速度が最も低下した。Influx numberは、膵炎惹起15分後において、C群で惹起前の0.88倍、N群で5.04倍と、r/V ratioの低下にも関わらず白血球の炎症組織への流入は増加していた。膵集合静脈、100μm当たりの接着白血球数(Sticking)は、惹起60分後においてC群.2.7、N群5.0と、N群において接着白血球数の増加が認められた。以上、膵炎における血管内皮と白血球間の相互作用を確認中であるが、今後、"rolling"に関与するとされる糖鎖の白血球動態に対する効果を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)