1997 Fiscal Year Annual Research Report
Neutrophil kinetics制御による急性膵炎重症化阻止の試み
Project/Area Number |
08671404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 和憲 東北大学, 医学部, 講師 (20171639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂村 眞琴 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10201584)
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Keywords | 急性膵炎 / 微小循環 / 白血球 / 血管内皮 / FOY |
Research Abstract |
生体顕微鏡観察システムを用いて急性膵炎時の膵微小循環障害を検討し、膵微小循環の面から膵酵素阻害剤gabexate mesilate(FOY)の急性膵炎時における作用機序をin vivoにおいて検討した。マウスを用いセルレイン腹腔内投与および総胆管結紮にて膵炎モデルを作製し7時間後に膵微小循環を観察した。FITC dextranを注入して血管透過性の変化をNIH imaging softを用いて解析し、さらに赤血球速度を算出した。膵炎作製1時間後から有意に血管透過性が亢進し、血流速度も低下してえた。また、CFSEを用いて白血球を染色して白血球動態を観察したところ、集合細静脈レベルにおけるrolling白血球数の増加が確認された。FOYの2回投与によって、血管透過性の亢進は有意に低下し、rolling白血球数の増加も抑制された。膵炎に伴うヘマトクリット値および膵酵素値の上昇も抑制された。OFYを膵炎発症後早期より投与することによって、血管内皮障害のみならず、白血球-血管内皮間の相互作用を抑制し、続発する膵微小循環系の悪循環を改善することが可能であると考えられた。FOYは膵微小環境の恒常性を維持することにより、膵組織の浮腫性変化から壊死性変化への進展を予防する効果が期待できる。 また、白血球-血管内皮間の相互反応を抑制するために、接着分子ICAM-1およびLFA-1に対する抗体の投与実験を準備している。また、細胞内在型phospholipase A2のinhibitor(IS-741)がこの相互作用を抑制することが明らかとなってきており、現在膵炎モデルを用いて効果を検討中である。
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