1997 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁の分子生物学的分析を利用した胆道腫瘍早期発見の試み
Project/Area Number |
08671413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 理 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00169947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 憲昭 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | Vater乳頭部癌 / 胆道 / 分子生物学 / p53蛋白 / 突然変異 |
Research Abstract |
本研究では胆道のさまざまな疾患において胆汁の分子生物学的分析を利用することにより,腫瘍・非腫瘍の鑑別,悪性・良性の鑑別を容易にし,さらに胆道腫瘍の早期発見の為のスクリーニング法を確立することを目的とした.その基礎的研究として,乳頭部癌の分子生物学的特徴を臨床病理学的に検討した。すなわち,乳頭部癌におけるp53蛋白overexpressionについて検索した. 対象は乳頭部癌切除例37例(平均年齢65才,男女比24:13).ホルマリン固定パラフィン包埋切片をp53モノクローナル抗体(Do7)を用いて組織化学的に染色.Image cytometry(CAS200R)を用い20視野を検索.染色された核面積の合計/全核面積合計を測定.陽性面積が10%以上の症例を陽性とした.ρ53陽性・非陽性群と肉眼型(潰瘍,非潰瘍),大きさ,組織型(腸型・胆膵管型),リンパ節転移の有無,術後生存率との関係を検索した. その結果,P53染色陽性率は全体で16/37(43%)に認められた.P53陽性群に肉眼的潰瘍型が有意に高頻度に,リンパ節転移陽性例の頻度が高い傾向が,そしてKaplan-Meier法で予後の悪い傾向がみられた.大きさおよび腸型,胆膵管型におけるp53の染色性には差は認められなかった. 結論として,Vater乳頭部癌では,P53のoverexpressionのみられる症例は生物学的悪性度の高い傾向が示唆された. 今後さらにP21/Waf1の検索,K-ras codon21点突然変異などについて検索し,乳頭部癌の分子生物学的病態を明らかにしていく予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 木村 理: "膵液K-ras点突然変異は膵癌診断に有用か?" 外科. 59. 67-77 (1997)
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[Publications] 木村 理: "“いわゆる粘液産生膵腫瘍"の診断と治療の問題点." 胆と膵. 18. 665-671 (1997)
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[Publications] 木村 理: "膵内分泌腫瘍の発生論." 臨床消化器内科. 12. 1259-1268 (1997)
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[Publications] Futakawa N: "Heterogeneity of DNA ploidy pattern in carcinoma of the gallbladder:Primary and metastastatic sites." Jpn J Cancer Res. 88. 886-894 (1997)
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[Publications] Kimura W: "Operative indications for cystic lesions of the pancreas with malignant potential:Our experience." Hepato-Gastroenterol. (in press). (1997)
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[Publications] Kimura W: "Appleby operation for carcinoma of the body and tail of the pancreas." Hepato-Gastroenterol. 44. 387-393 (1997)