1996 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ急性肝壊死モデルに対する肝細胞スフェロイド移植の実験的検討
Project/Area Number |
08671415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長島 郁雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90202423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 勝俊 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
長田 卓也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90272559)
酒井 康行 東京大学, 生産技術研究所, 助手
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Keywords | 肝細胞移植 / 急性肝不全 / 肝細胞スフェロイド / 大動物実験 |
Research Abstract |
1)ブタ肝細胞スフェロイドの調整 方法論は既に確立しており、分離精製した遊離肝細胞を24時間浮遊旋回培養することによって、5×10^6個/mlの肝細胞スフェロイド懸濁液100mlを門脈内注入用として調整した。 2)ブタ急性肝壊死モデルの作成 腸骨動脈-肝動脈バイパスを作成、この回路を加温し、肝を選択的に44〜45℃で1時間温熱潅流することにより、広範な急性肝壊死モデルを作成した(このブタが48時間以内に全例死亡することは確認済み)。 3)急性肝壊死ブタへの肝細胞スフェロイド懸濁液の注入 肝潅流終了後24時間目に門脈内に挿入したチューブより、ゆっくりとone shot注入したが、有意な生存率の向上は得られなかった(n=5)。生化学的検査でも肝機能面の代用は示しえなかった。むしろ、注入後数時間で死亡するものもあった(n=2)。病理組織学的所見としては、一部は類洞内に、一部はグリソン内に注入された肝細胞スフェロイドの集積を認めるが、その大部分は壊死に陥っていた。また一部は肺胞内にも集積を示し、肝を素通りして肺に流れた結果と考えられた。また注入後数時間で死亡したブタは、門脈内で詰まり、急性門脈塞栓の病態を示しており、注入速度の問題と考えられた。 従って現在は、その注入速度、注入量、さらに注入時期をも変更することによって、改善が期待できないものか、さらに詳細な検討を加えているところである。
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