1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝切除後門脈圧亢進の病態生理学的意義についての研究:肝免疫からみた肝再生の評価
Project/Area Number |
08671420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内田 克之 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (50260542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 一博 新潟大学, 医学部, 講師 (90171967)
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Keywords | 肝再生 / 門脈圧 / 肝免疫 / 肝切除 |
Research Abstract |
肝切除後の肝不全を大きく分けると肝炎型と循環障書型に分けられる。我々はこの病態や肝切除後肝再生のメカニズムを解明するために以下を検討中である. 1)我々は肝再生のトリガーとなり再生の収束をも支配するのは門脈圧が肝細胞に直接及ぽす"shear stress"であると推測している。shear stressは血管内皮細胞の再構築のトリガーとして報告されているが、肝内の解剖を考慮すると、肝内の血管内皮細胞である類洞内皮細胞にはsieve plate(櫛板)があり、直接肝細胞に門脈血流が当るようになっており、肝細胞にも血管内皮細胞と同様に再生を促すレセプターシステムが存在する可能性が考えられる。70%肝切除のような生理的な範囲のstressの増加では順調な再生が起こりうるし、90%肝切除のような退剰なstressが持続するような場合、肝不全に陥る場合がある。 2)肝切除後肝不全について検討するために、肝切除後肝再生における基本的な免疫学的、生理学的メカニズムについて検討し、次に循環障害型として90%部分肝切除を用い、肝炎型モデルとして70%肝切除後IFN-γ投与モデルを作成中である。 70%、90%の肝切除を施行し、経時的に肝重量、門脈圧、肝機能凝固能、抗Brdu抗体やclass I、II抗原抗体を用い、免疫染色を行い再生状態やsinusoidal lining cellのclass I、II抗原発現につき検討中である。 現在、このshear stress theoryの仮説検証のために、上記実験を施行し、結果を解析中である。
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