1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
坂本 隆 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (90162312)
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Keywords | 食道癌 / 悪性度 / 染色体解析 |
Research Abstract |
1.コスミドクローンによる14番染色体地図より得られた24個の14q32特異的なマイクロサテライトマーカーはシークエンスによりその配列が決定された.これらの内実際にPCRに適するもの,すなわち増幅産物が100〜150bpとなりさらにヘテロ接合の検出の頻度が十分なものは,わずかに5個であった.そこで富山大学細胞工学研究室の磯部正治助教授らとともに14番染色体上の酵母人工染色体(YAC)より同様の方法にてマイクロサテライトマーカーを作製した.以下の実験に用いたものはこれらと,すでにNIHなどで報告されているマーカーを検討部位により適宜選んで行った. 2.ホルマリン標本は20症例を選択し,それぞれのパラフィンブロックよりDNAを抽出した.20症例中15例でPCRがかかったが,残りの5例ではバンドの検出が不可能であった.これはホルマリン固定の時間が長かったことによりDNA上のnickが多くなったためと思われた.また用いるプライマーによってもPCRがかかりずらいケースがみられた.これらを補う意味もあり新鮮組織標本よりDNAを抽出し20例を加えて合計35症例により本部位のLOHの検出を行った. 3.D14S62 33%,D14S65 33%,D14S26743%,D14S250 33%,D14S272 25%の頻度でLOHを検出した.転移や予後,治療法との関連についてはinformativeなケースが少ないため(平均30%程度),未だ有為差を持った結果は得られていない.さらに症例数を増やす必要がある.
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