1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
清水 康一 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (30196513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 雅夫 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (00182303)
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Keywords | 肝虚血再灌流障害 / サイトカイン / TNF-α / IL-6 / チロシンキナーゼ阻害剤 / ゲニステイン |
Research Abstract |
1 単離肝細胞,類胴壁細胞を用いた虚血・再酸素化実験は,単離細胞のviabilityが一定にならず,実験結果にばらつきが大きいため,実験計画の変更を検討中。 2 マウスを用いたin vivoの虚血・再灌流実験では以下の知見を得た。 (1)炎症性サイトカインであるTNF-α,IL-6の血中濃度は,虚血中には上昇せず,再灌流後に著明な上昇を示した。ピークは両者とも再灌流4時間後であった。 (2)免疫組織染像の画像解析では,肝組織中TNF-α再灌流直後に,IL-6は再灌流2時間後に最も増加したが,血中濃度の上昇ほど著明ではなかった。 (3)血清ALT値は再灌流後著明に上昇し,また,組織学的にも肝の壊死範囲は再灌流後経時的に増加し,肝細胞障害は進行性であった。 (4)上記(1)から(3)の所見は,チロシンキナーゼ阻害剤であるゲニステイン投与によって有意に抑制された。 (5)虚血時間を延長し生存率を検討した実験でも,ゲニステイン投与は生存率の改善をもたらした。 以上の実験結果より,肝虚血再灌流障害には炎症性サイトカインであるTNF-α,IL-6の関与が示唆された。また,チロシンキナーゼインヒビターであるゲニステインの投与により肝虚血再灌流後の炎症性サイトカインの上昇が抑制され,肝虚血再灌流障害を軽減されることが明らかとなった。
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[Publications] Yamamoto,S.,Shimizu,K.,et al: "Genistein Suppresses cellular injury following hepatic ischemia/reperfusion" Transplantation Proceedings. 28・2. 1111-1115 (1996)