1996 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍の微小環境-特にAngiogenesis-の調節による治療の確立のための検討
Project/Area Number |
08671426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 豊 金沢大学, がん研究所, 助教授 (10179541)
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Keywords | 血管新生因子 / 血管新生 / 転移 / VEGF / 胃癌 |
Research Abstract |
ヌードマウス同所移植モデルを用いて、まず胃癌肝転移モデルを確立した。このモデルを利用し、胃癌培養細胞をヌードマウスの胃と皮下に移植し、転移度や増殖度をみるとともに、angiogenesisの数値指標であるvessel density,vascular endothelial growth factor (VEGF),basic fibroblast growth factor (bFGF),Interleukin 8,platelet derived endothelial growth factor (PD-ECGF)などのangiogenic factorとの関連を検討した。その結果、胃に転移した腫瘍は皮下のそれに比べ、増殖度や転移度が有意に高いばかりでなく、vessel densityが高い成績が得られた。さらにangiogenic factorとの関連を見ると、上記の内VEGFの発現のみがvessel densityと相関がみられた。以上から、増殖、転移にはangiogenesisが不可欠であることが確認されるとともに、胃においてはVEGFがこのangiogenesisを制御している可能性が高いと考えられた。 次に胃癌臨床材料を用い、このVEGFの発現を検討したところ、血行性転移を伴う胃癌において発現が高い成績が得られた。 胃癌の転移、特に血行性転移にはVEGFによるangiogenesisが強く関与している可能性が示唆されたことより、このVEGFを標的とした治療が期待されるものと考えられた。
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