1996 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症,エンドトキシン血症の病態解析とマクロファージ活性抑制の有用性の検討
Project/Area Number |
08671428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 講師 (30181316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00273045)
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Keywords | エンドトキシン血症 / TNF / ガドリニウムクロライド / 肝MΦ / 脾臓 |
Research Abstract |
〔研究の目的〕申請者の目的とするところは、術後感染症に合併する肝不全の治療体系の確立のために、肝MΦの活性化機序を解明するとともに、ガドリニウムクロライド(GdCl_3)の肝MΦの活性化に及ぼす影響を明らかにすることである。その一つとして、今年度は申請時の研究目的に挙げた3つのテーマのうち(1)Etx血症における血中TNF活性の上昇が活性化肝MΦに由来するものかあるいは他の臓器のMΦに由来するものなのかについて検討した。 〔今年度の成績〕今年度、申請者らは大型の肝MΦの貧食能をブロックするGdCl_3で処置した致死的なエンドトキシン血症ラットモデルにおいて、脾臓のMΦが血中TNF濃度にどの様に影響するかを検討した。同時に、脾臓の摘出の有無により、肝MΦの機能が低下した時に、肝臓ならびに脾臓のMΦの種類が変化するかどうかも確認した。 24時間後の生存率はGdCl_3処置群(n=6)では100%、非処置群(n=6)では0%であった。これらの生存率に脾臓の摘出の有無は関与しなかった。また、ED1,ED2,ED3による大型、小型のMΦを鑑別する免疫染色では、GdCl_3投与後には肝臓の大型のMΦは消失していたが、これらに脾臓の摘出の有無は関与していなかった。脾臓のMΦはGdCl_3の投与により影響されなかった。血中TNF濃度はGdCl_3投与の有無、さらに脾臓の摘出の有無による差はみられなかった。 〔今年度の結論〕血中TNF濃度は脾臓のMΦに影響されていない。また、脾臓のMΦはGdCl_3投与により生ずる肝臓のMΦの機能低下を代償することはない。 〔次年度の研究予定〕次年度は、申請時に挙げた3つのテーマのうち2)血中TNF活性の上昇は生存率に直接の影響を与えないのかを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)