1996 Fiscal Year Annual Research Report
Ras癌遺伝子産物に対するヒト型モノクローナル抗体の臨床応用における基礎的検討
Project/Area Number |
08671466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 正純 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10188055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80275049)
山岡 博之 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90230317)
|
Keywords | ras / モノクローナル抗体 / T細胞 / 膵癌 / 大腸癌 / B細胞 |
Research Abstract |
Ras癌遺伝子産物に対するヒト型モノクローナル抗体の臨床応用における基礎的検討として、本年度は膵癌、大腸癌患者においてras蛋白に対する免疫応答を検討した。血清中の抗ras抗体陽性率は正常人の5%(2/40)に対し、大腸癌で40%(51/150、p<0.01)、膵癌で80%(4/5、p<0.05)と高かった。抗ras抗体の認識部位はras蛋白の正常部、変異部など多様でその73%はras蛋白のカルボキシル基側の正常部であった。末梢血中のras蛋白関連ペプチドに対する特異的T細胞の検出率は正常人の0%(0/20)に対し、大腸癌で24%(6/25)、膵癌で40%(6/15)と高かった(p<0.01)。Ras蛋白を標的とした細胞障害性T細胞(CTL)の誘導を試み、膵癌3例中1例でras蛋白のカルボキシル基側の正常部ペプチドに特異的なCD4陽性のT細胞株が得られた。(日本BRM学会公開シンポジウムにて発表、日本消化器外科学会誌印刷中) 現在、膵癌、大腸癌患者の末梢血リンパ球をras蛋白あるいはその関連ペプチドで刺激後、EBウイルスによるトランスフェクションを行ない、得られたB細胞株の抗ras抗体の産生の有無を同定している。今後は得られたB細胞株の上清中の抗ras抗体価の定量および精製を行い、抗ras抗体を産生するB細胞株のクローニングを行う予定である。
|