1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仲田 文造 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60271178)
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Keywords | 消化器癌 / 抗癌剤 / apoptosis / p53 / bcl-2 / TUNEL法 / SSCP法 / DNA sequencing |
Research Abstract |
1.消化器癌に対する抗癌剤の感受性とp53蛋白の発現およびapoptosisの関連 対象は5-FU+low dose cisplatin (FP療法)による化学療法を施行した進行・再発胃癌15例である。内訳は高度進行(stage IV)胃癌12例と局所再発胃癌3例であった。再発胃癌症例はいずれも、以前に経静脈的化学療法の未治療例であった。FP療法施行1カ月以内前と施行1カ月後に腫瘍部の生検を内視鏡下に行い、標本は採取後直ちにホルマリンで固定し、パラフィンブロックを作製した。化学療法の臨床的な奏効度の判定は胃癌取扱い規約(改訂第12版)によった。生検標本を用いてp53およびbcl-2蛋白のABC染色を行い、またTUNEL法によるapoptotic indexの変化を測定した。施行前の変異型p53の発現率は奏効例(CR1例、PR5例)で33%、非奏効例(NC9例)で100%であり、有意差を認めた。bcl-2蛋白はNCの1例のみが陽性であった。施行前後でapoptotic indexは有意ではないが増加傾向を認めた。結論として、胃癌に対する化学療法施行前の生検標本中の変異型p53蛋白発現は化学療法に対する抵抗性の予測に有用であった。 2.抗癌剤感受性におよぼすp53遺伝子変異部位の同定 FP療法を行った2例についてSSCP法によるp53の変異部位の解析を行った。1例はNC症例であり生検標本でのp53蛋白は変異型発現を認めたが、SSCP法ではexon 7に異常が認められた。これにつきDNA sequencingを行う予定である。他の1例はPR例であったが、SSCP法で異常なバンドは検出されなかった。遺伝子からみてもp53の変異と化学療法の奏効度に相関が期待される。今後SSCP法とDNA sequencingによるp53遺伝子の解析の症例を増やし、p53変異部位と化学療法の感受性について検討する予定である。
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Research Products
(1 results)