1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仲田 文造 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60271178)
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Keywords | 消化器癌 / 抗癌剤 / apoptosis / p63 / bax / bcl-2 / Fas抗原 / ICE |
Research Abstract |
I.消化器癌に対する抗癌剤の感受性とapoptosis関連遺伝子産物の発現 シスプラチンと5-FU併用による治療を行った進行・再発胃癌23例および食道癌9例を対象とした。化学療法施行前の内視鏡生検標本のホルマリン固定標本を用いて、p-53、bax、bcl-2,Fas抗原の免疫組織学的染色を行い、治療効果との相関を検討した。胃癌23例のp53、bax、bcl-2,Fas抗原陽性率は60.9%、56.5%、52.2%、47.8%であった。食道癌9例のそれぞれの陽性率は44.4%、55.6%、88.9%、33.3%であった。胃癌において単独の因子で化学療法の奏効率と相関を示したのはp53のみであり、奏効例10例中の7例がp53陰性であったのに対して、非奏効例13例中11例がp53陽性であった(P=0.013)。baxとbcl-2に関してはbax陽性かつbcl-2陰性5例中4例が奏効例であったのに対し、bax陽性かつbcl-2陽性6例中1例のみが奏効例であったことから、この2因子を組合わせることにより抗癌剤の感受性の予測に有用性がみられた。Fas抗原の発現と胃癌化学療法の感受性の間には有意な相関はなかった。食道癌についてはp53のみが相関する傾向がみられた(P=0.058)。 II.ヒトスキルス胃癌細胞株のICE活性と抗癌剤感受性 interleukin-1 β-converting enzyme (ICE)はapoptosisの最終段階に関与することが報告されている。われわれが樹立したヒトスキルス胃癌細胞株OCUM-2Mと、これを親株として作成したシスプラチン耐性株OCUM-2M/DDPを材料としてシスプラチン感受性とICE活性を比較した。シスプラチンによる50%阻止濃度は、耐性株が親株より約10倍高かったが、ICE活性は親株の方が耐性株より約1.6倍高値であった。ICE活性が高いと抗癌剤の感受性が高い可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)